バンダイナムコホールディングスの株主総会2009年

2009年6月22日:バンダイナムコホールディングスの株主総会2009年
6月22日に行われたバンダイナムコホールディングスの株主総会のお話をしようと思う。
おもちゃ、アニメ、ゲームなど多岐にわたる事業を展開している会社ですね。
場所は東京都港区高輪3-13-1。ソニーが株主総会をやったホテルと同じ。会場は「飛天」。バンダイナムコホールディングスとなってから全部、過去と同じ場所ですな。
そうですね。
開催は10時から。開始の段階での人数は400名辺りと思われる。去年は開始の段階で600名前後と見ていたので、減った感じがする。まあ、空模様も良くなかったのが影響しているかもしれない。もちろん、後から来る人も多かったので、全体人数はまた別の話になるが。 ちなみに3月31日の時点での株主数は36909名。
では、いつも通り見ていきましょうか。
今回から、新社長となった石川祝男が議長となる。前回までの高須武男だったが、会長になったので、議長役が変わった。前バンダイナムコゲームスの社長だった人だ。まず、開始の前に、現任の取締役と監査役の紹介をしていく。10時4分に正式に株主総会がスタートする。10時7分からビデオによる業績説明が行われ、これが10時29分まで続く。
今回のナレーターはどなたでしたか?
去年は「美少女戦士セーラームーン」の月野うさぎ役や「新世紀エヴァンゲリオン」の葛城ミサト役の三石琴乃が担当したが、今回は「機動戦士ガンダム」のララァ・スン役の潘恵子だった。ちょうど、「機動戦士ガンダム」30周年にかかっているわけだ。
おお、そうでしたか。
まあ、声に聞き覚えはあったのだが、最後の最後まで声優名や役柄を思い出せず、自らを情けなく思ったが…。
所詮、あなたのガンダム度はその程度なのですよ。
これさ、どうせなら、去年『バンダイナムコホールディングスの株主総会2008年』 でナレーターを担当した三石琴乃絡みで、PS3「葛城ミサト報道計画」で読みあげれば笑えたのだが。
……。
とまあ、そんなこんなで、10時30分から質疑応答となる。業績等に関する質問と、議案に関する質問は分かれており、議案に関してはまた後ほど質問時間が設けられる。
では、いつもどおり、私が質問者役です。
回答者は社長の石川祝男だけでなく、各役員に話させる場面も多々あった。いちいち回答者の名前は出さないけれど、まあ、そういうことで。アニメなどの映像関連の川城和美は、自ら話したそうにしていて、結構指名されたのが微笑ましい。では、さっそくいきますかな。
一人目の質問です。 今期と来期の売上、利益について。今期の予想が前期と同じ売上レベルで、利益も同じと予想しているが、どういうことか。設備投資などの費用が上がっているが、コストの絞り込み等はうまくしているのか。
前期はメリハリを欠いた。だが、経営の方は基本の整理ができた。今期は前期と同じ数字をまず目指す。将来は利益1000億円、海外比率50%、トイホビーとゲームを欧米で果敢に攻めていく。
二人目の質問です。 中長期的成長として海外展開という話があったが、映像を海外で売るのであれば、ディズニーのようなものを目指せば良いのではないか。日本では裸や入浴シーンなど、ポルノのような作品が多いが、世界に通ずるような基準が必要なのではないか。
映像は国内を中心に収益性の向上をしていく。今まではハイターゲット、大人向けの作品が多かったが、小さい子や家族で楽しんでもらえるようなものを強化していく。今までとは違ったものが出てくると思う。ブランド戦略をしっかりと考えていく。いろいろな層に向けた作品があるが、それぞれの基準を設けている。
三人目の質問です。 中期経営計画の説明は招集通知のどこに書いてあるのか。社長の経営哲学をVTRに任せるのはどういうことか。自分の言葉で話すべきではないか。
招集通知には書いていない。少し細くするが、メリハリをつけ、攻める事業、守る事業をやっていく。攻める場所は欧米。3年間、500億円の枠を設けて投資していく。VTRに関しては参考にさせていただく。
四人目の質問です。 海外への進出について、南アジアや南米への進出の意図はあるのか。
アジアも重要なマーケットと考えている。積極的にやっていく。南米はトイホビーで動きがある。拠点をシンガポールに置き、オーストラリアやインドなども視野に入れている。南米はマテルの販売会社にやってもらっていたが、自社でやろうということになり、動き出している最中である。
五人目の質問です。 海外の連結子会社が多くないか。なぜ4つに分ける必要があるのか。英語圏は一つで良いのではないか。
戦略ビジネスユニットで事業を展開している。国ごとに商習慣の事情が異なるため、それぞれに子会社を作っている。ホールディングスがそれを管理している。
六人目の質問です。 深夜アニメで、ネットの不正利用に関するテロップが流れるが、どの程度の損害、機会損失が出ているのか。その対策はどうなっているのか。海外で行われている、放送より先行してDVDを発売するなどの予定があるか。
配信等で世界中で起こっている。少なからず影響を受けている。損害額に関しては算定が難しい。削除依頼をするなどし、数は少ないが、きちんと告訴している。うまくどう共有できるのかなど、前向きに考えている。テレビと配信のタイミングを短くしたり、日本と世界で同時に配信するなどする。
七人目の質問です。 アミューズメント事業の競合優位性とは何か。ガンダム30周年に絡み、ガンダムのカードビルダーや戦場の絆などの今後のスケジュールを教えてほしい。戦場の絆はやっている人が少なくなっている。
グループの持っているIPを店舗で活用するようにしている。「ガンダム カードビルダー」は当初の期待を下回っている。データカードダスも含め、次世代でカードを使ったものを企画中。「戦場の絆」は好調にインカムを上げている。バージョンアップもやっていく。
八人目の質問です。 障害者の雇用に関して、障害者のリストラなど、どの程度行われているのか。今後一年でどのような計画を持たれているのか。
バンダイナムコウィルによって、グループで障害者雇用をしている。目標は115に対し、110、1.8の目標に対して1.7と若干の未達。今後も採用活動をしていく。
九人目の質問です。 株主の利益還元について。自社株買いをした株で株式交換などで企業買収をしたらどうか。マーベラスエンターテイメントなどグループに入れてはどうか。有価証券評価損は他の株を持っているから発生すると思うが、有効に活用しているのかどうか。角川の株を持っているが、もっと連携してはどうか。株主優待について、長く持ってもらう施策をしないのかどうか。
株主還元は年間20円の安定配当の他に、配当性向を30%にしている。また自己株買いなども行っている。この3年間は将来に向けた先行投資をしていきたい。株を持つ目的は、事業上関係のある会社の株を持つようにしている。不二家株の下落が大きく評価損となっており、9億9700万円のうち、7億円となっている。目に見える効果は出ていない。ペコちゃんを活用したキャラクター展開をしていく。株に関しては出来るだけ多くの方に株主になってもらいたいと思っている。
十人目の質問です。 中長期で加速度的な成長を見込むとあるが、何年後なのか。等身大ガンダムの展示は、展示期間終了後どういうう扱いになるのか。
統合後の最高の利益を達成したい。将来への投資もしつう、足もとの数値も出していく。等身大ガンダムに関しては未定。いろいろなところから良い案をいただいている。都会の緑に配慮したガンダムとなっており、そのまま捨てるようなことはない。分解して持ち運べるようになっている。決定次第発表したい。
十一人目の質問です。D3パブリッシャーを100億円で子会社化したが、メリットはどうなっているのか。この5年くらいで利益の見込み額を出してほしい。
今期、単体で9億円のプラスを想定している。海外での「Ben10」人気で相乗効果がある。5年後の数字は決めていないが、今期の数字を上げていきたい。D3パブリッシャーは13億円で買収している。他はディストリビュートパートナーズの買収資金に充てている。日本はシンプルシリーズで成長してきた。携帯でsimple100シリーズで100億円利益稼がせていただいている。海外の展開も積極的にやっており、キャラクターに強い社員もいる。「Ben10」で単独で300万本を売ったりもしていた。D3パブリッシャーと一緒に海外でやっていく。
十二人目の質問です。CSRはどうなってるのか。環境目標はどうなっているのか。
2008年度を基準として2011年度までに5.4%のCO2の削減をしたい。バンダイナムコらしい環境に配慮したことをやっていく。
十三人目の質問です。 アミューズメント施設について、テーマパーク型が多いが、ビデオゲーム第一世代は40歳を超えており、そうした人には興味を示さないのではないか。ローリスクで有物をうまく見せるような展開を考えてはどうか。旧来のゲームセンターのようなものをやってはどうか。
展示してある「タンクタンクタンク」はカジュアル層にも楽しんでもらえると思う。ニーズの多様化は意識している。組織的に強化していく。顧客セグメント別に対応していく。スーパーや繁華街などでの違いもある。ネットカフェのようなものはあるが、今後中身を検討していく。
以上ですね。
ここまでは11時23分。ここまでの質疑応答で53分となる。
このあと、議案の審議ですね。
先に述べたように、議案の審議の部分でも、質疑応答を受け付ける形をとっている。多くの会社では、報告事項と議案とともに、まとめて質疑応答を受け付けるので、そういった意味では丁寧なやり方といえなくもない。
で、どうなりましたか?
第3号議案の時に3名ほど質問が来た。時間は11時33分から11時42分までの9分間。では、取り上げてみよう。
一人目の質問です。 社外取締役に関して、米正剛と田崎學の独立性に疑問がある。利害関係があるように思われるが。
法的にはまったく問題が無い。米氏は個別に相談し、ビジネスをしている。田崎氏も前職はナムコだが、まったく問題ない。
二人目の質問です。取締役が2名減るが、その説明を。
戦略ビジネスユニットの5名を非常勤としていたが、各戦略ビジネスユニットを除いた。ただし、上野氏に関しては、トイホビーを見ながら、経営の手伝いをしてもらっている。
三人目の質問です。 取締役のそれぞれの抱負を述べてもらいたい。
ここは実際に抱負を9名ほど述べていたが、面倒なので割愛する。
議案に関する審議は以上ですね。
そして、11時44分に株主総会は終了となる。
たしか、バンダイナムコホールディングスと言えば懇親会があると思うのですが。
今回もあった。
どうでしたか?
なんかね、去年以上に人がいたように感じた。会場を歩くのも大変だった。特に食べるところは。
そうですか…。
開催は株主総会終了後60分間とのこと。いつも通り、商品展示があった。また、ゲームの試遊や、クレーンゲームなどもあった。食事にも人が群がっていたが、クレーンゲームの方にも人が大量に並んでおり。このあたりは、旧ナムコの株主が多くいるような印象を受ける。
旧ナムコの株主総会は土曜日開催でゲームを楽しませることで有名でしたね。
戦隊ものとの写真撮影会もあり、相変わらずヒーローが気だるそうにしている。

これは次の撮影者を待っているだけじゃないですか…。
今回、「機動戦士ガンダム」30周年ということで、それにちなんだ展示品も多々あった。ちょっと写真撮ってきたので載せておく。商品展示だけでなく、ガンダムの歴史が記されたボードもある。また、左下の写真は等身大ガンダムのサンプルで、右下はプラチナ製のガンダムだ。2500万円相当のものですな。

2500万円の展示品ですか!?
ゲームの試遊台だが、そこそこあった。PS3で発売される「機動戦士ガンダム戦記」や、声優の話のところで話題に出した「葛城ミサト報道計画」の展示もあり。あと、この両タイトルの間に一タイトルあったのだが、もしかしたら「鉄拳6」だったのかな、と今さらながら思ったりもする。「ソウルキャリバー4」かと思って、思いっきりスルーしていたのだが、今さら「ソウルキャリバー4」を展示するわけないからな。
ちゃんと見てこないから…。
「機動戦士ガンダム戦記」に関しては、ちょっと触ってきた。また機会があれば話すとしよう。発売は秋だけど、10月までには発売されるのでは。上期の業績次第では、9月末とかに出てきてもおかしくない。
ふむ。
こんなところかな。写真撮らなかったけど、今回、高須武男だけでなく、社長の石川祝男にもボンボンののぼりが用意されていて。2つものぼりが上がっていた。他の役員は相変わらず誰が誰だかわからない感じだったが。でも、概ねそれぞれの担当箇所にいたような気がする。胸に 大きめの印のようなものをつけるなどして分かりやすくした方がいいような気がするが。
さて、お土産ですが、どうでしたか?
何度も言うけど「機動戦士ガンダム」30周年なので、それにちなんだものが多々ある。

■バンダイナムコホールディングス株主総会のお土産

2009年6月22日に行われたバンダイナムコホールディングス株主総会のお土産

・機動戦士ガンダム30周年プロジェクト パンフレット
・機動戦士ガンダム30周年記念プラモデル HG-RX78-2 ガンダム Ver.G30TH
・バンダイナムコゲームス 特製エコバッグ
・ネックストラップ
・ナムコ ナンジャタウンご招待券
・バンダイナムコゲームス情報誌 side-BN
・バンダイビジュアル情報誌 Beat magazine

結構豪華ですね。
エコバッグにもガンダムの絵柄があるしね。ネックストラップもまたしかり。
プラモデルもありますよ。
……。
何で泣くんですか…。
数週間前に一昨年株主総会で貰って、そして作ったザク捨てちゃった…。
何ということを…。
ちなみに、在りし日のザクは『グランドピアニストの可能性』 で見ることができる。
懐かしいですね…。
ああ、それと、このお土産に関しては、青い色の紙に概要が全部描いてあるんだけど「Beat magagine」と書いた社員は猛省する必要がある。
マガジンのスペルが違うんですね。
思わず、そういう名前の雑誌かと思ったよ。
正確には「magazine」です。
とまあ、こんな感じでした。なんだか、懇親会の食事目当てとクレーンでの景品目当ての人が増えたようで、だんだんと好ましくない方向に進んでいるような気がする。あと、最初の役員紹介は、これ自体は良いことなのだが、株主総会を始めた後にしないといけない。そうでないと、株主総会が時間どおり始まっていないことになるから。今日なら、10時4分と4分遅れでスタートしたことになる。
以前にも他社でこのようなことがありましたね。
あとはおおむね良いのでは。社長の回答があまりにも簡潔すぎて、テンポよく進むのは良いのだが、それでよいのかはまた難しいところ。多くの人の質問機会が得られて良いとは思うけどね。懇親会もあるので、そこで会話できるので、良しといったところかな。
質問内容とかはどうでしたか?
概ね良いんじゃない?懇親会で聞けるというのがあるので、あまりこまごました質問も出ないし。軒並み中長期経営計画絡みの質問だったのは、他社の株主総会と異なるところかと。と、以上で、バンダイナムコホールディングスの株主総会のお話を終えようと思う。

直近、直後の話題

1つ過去の話題:角川グループホールディングスの株主総会2009年
1つ新しい話題:週刊ファミ通の発売曜日変更による情報流出問題への対応

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『バンダイナムコホールディングスの株主総会2009年』へのコメント

お土産に入ってるプラモって来月発売の奴じゃないか?
それは今手に入るというのは正直うらやましいぞw

投稿者 : 匿名

捨てちゃったw

投稿者 : 匿名

思うんですが、
総会参加者の中でプラモもらって喜ぶ株主、何%位なんでしょうね?
こんな物より、お子様のいる株主に配慮したお土産を用意して
選択性にするとかしておけばいいのにと思います
もしかして株主が全員オタクだとでも思っているんでしょうかね?

ナンジャタウンご招待券みたいな、オタクではない一般の方が喜べるお土産を考えていく方がいいとおもいますけどねー
というか何故プリンシェイクの一本すらもつけられなかったのかと……いいたいですね
せっかくの共同開発商品で、180円販売品なんだからつけてもいいように思いますが
ついでにプリン博覧会2009のチラシもいれておけば一石二鳥なわけですし?

いくらゲーム産業などに着手しているからといっても、変にオタク向けに偏ったお土産になっている事があるのが気にかかります
他の企業でもそうなんですけどね!

投稿者 : 匿名

戦記触った感想を教えて欲しい

投稿者 : 匿名