ハイスコアガール、SNKプレイモアへの著作権侵害に対し、スクウェアエニックスが逆に提訴を行う意味とは

投稿がありましたので紹介します。

『スクエニは10月8日、SNKプレイモアに対し、漫画「ハイスコアガール」がSNKプレイモアの著作権を侵害していないことの確認を求めて大阪地裁に提訴したそうです。

スクエニが著作権侵害したことを認めたからこそ、休載して、単行本も自主回収したものだとばかり思ってましたが、どうやら違うようです。

なんというか、逆ギレした感じですかね?』(投稿)

SNKプレイモアからスクウェアエニックスに対し、「ハイスコアガール」での著作権侵害に対する話は過去に何度か取り上げましたね。

8月6日『「ハイスコアガール」でスクウェアエニックスが著作権侵害で家宅捜索を受ける、この事態を予言していた人も』、『ハイスコアガールの著作権侵害問題でスクウェアエニックスの潔白が証明される一つのシナリオ』で2度にわたって紹介しました。

今回はSNKプレイモア側からではなく、スクウェアエニックスが裁判を起こしたというお話です。

どういう裁判なのでしょうか?

簡単に説明すると、スクウェアエニックスはSNKプレイモアの権利を侵害していないことを裁判所が認めてよ、という裁判。

正確に言うと、SNKプレイモアにはそうした訴えをする権利はないでしょ、ということを確認する訴え。

明らかに「ハイスコアガール」の漫画の中にSNKプレイモアが権利を有するゲームの絵が入っているのですが、それでも権利がないというのは道理が通りませんが・・・。

考え方はいくつかある。

一つは『ハイスコアガールの著作権侵害問題でスクウェアエニックスの潔白が証明される一つのシナリオ』で述べたように、事前に利用の確認をしていたということ。

確認はしたにも関わらず、書類等で残していないため、SNKプレイモア側からクレームが来たと考えれば、スクウェアエニックス側が権利を侵害していないという主張も通る。

ですが、書類が無いのでしたら判断できないじゃないですか・・・。

電話の通話記録で確認、という手はあるのかな、と思っている。

過去にSNKプレイモアにスクウェアエニックス側から電話した記録があり、それがスクウェアエニックスの出版部の番号からSNKプレイモアの著作権管理部門へつながっていれば、少なくともやり取りがあったと判断できる。

SNKプレイモアの刑事告訴の話が出てきたときに、アニメ会社からの問い合わせで初めて知ったという流れになっていた。

もし、事前にスクウェアエニックス出版部からSNKプレイモアへの通話記録があるのであれば、この時点ですでに嘘が生じているので、口約束があった可能性も出てくる。

というようなことが一つの考えとして成り立つ。

他にも考えはありますか?

そもそもSNKプレイモアが今回無断利用したものの権利を持っていなかった、とかいう。

そんな馬鹿な・・・。

一つの可能性として一応挙げておく。

仮に、そうした理由が無く、今回の措置をしたのであれば、「ハイスコアガール」で利用されたSNKプレイモアの著作権物のボリュームであればスクウェアエニックスは問題ないという判断をしたことになる。

そうなると、今後、さまざまな出版物でスクウェアエニックスの著作物を使っていけることになる。

ゲームなどの著作権でも利益を得ている会社としては、それは痛いはず。

となると、やはり何かしら事前の許諾はあったのではないかと思うのだが。

他のゲームでも著作権者に確認取らずに利用したという話もありますが、そのあたりと今回の件の違いはどこにあるのでしょうか?

利用している量の違いでしょ。

報道ではSNKプレイモアの権利のあるものを約250点描いたとなっているので、それは多すぎると。

逆に1個か2個の利用であれば、引用の範囲内に収まるかと。

いくつか他にも許諾を得ていないで利用したのでは、というものに関しては点数が少なかったから不要という考えもできる。

引用元の権利者名も新しい権利者を知らないから昔の権利者のままで書いたという見方も可能だ。

引用であればいいのだしね。

ただ、引用にしても、漫画内での引用はどういう形であるべきか、という答えは無いように思う。

漫画内の引用は通常の引用とは異なるということですか?

漫画で描いている以上、表現手法は絵を描いてとなる。

だが、引用のルールでは、同一性も必要となるため、本来であればゲーム画像そのままを載せる必要があり、また、引用元などを書く必要がある。

例えば、よく他の著作物を用いて、目の部分に目線を入れるという表現手法があるけど、あれは逆に同一性を損なっているので引用では決してないわけだ。

でもそうした目線を入れると訴えられたりしないのは、漫画の独自ルールによるところが大きい。でも、目線を入れれば100%大丈夫という保証は誰にもできない。

このあたりも漫画内表現での引用のルールというものが存在しないため、人によっていろいろと解釈してしまう部分だろう。

厳密に言えば引用のルールに則していないので引用でないのは明らかだが、引用でないからすぐに権利侵害だと騒ぎ立てる世の中でないのは目線の例からも明らか。

日本は漫画が栄えている国なので、このあたりのルールも法的にしっかりしてもらいたいところではある。

このあたりを考慮すると、例えば1点2点の当時の様子を描くために用いた絵であれば、引用のルールを満たしていないから著作権侵害だ、とまではいかないように思う。

SNKプレイモアの場合は画像点数が多すぎたのが問題として挙げられますね。

いずれにしろ、SNKプレイモアが訴えるのも権利であるし、スクウェアエニックスが今回のように債務不存在確認請求訴訟を起こすのも権利であるので、あとは結果を待つだけかと。

また結果や動きがあれば取り上げるということで。

直近、直後の話題

1つ過去の話題:三国志大戦がサービス終了へ、新三国志大戦は2015年3月に稼働か
1つ新しい話題:大乱闘スマッシュブラザーズ for WiiUの発売日決定、amiiboや今後のWiiU市場はどうなるか

『ハイスコアガール、SNKプレイモアへの著作権侵害に対し、スクウェアエニックスが逆に提訴を行う意味とは』へのトラックバック

トラックバックURL: https://www.makonako.com/mt/mt-tb.cgi/4568

『ハイスコアガール、SNKプレイモアへの著作権侵害に対し、スクウェアエニックスが逆に提訴を行う意味とは』へのコメント

250点描かれているって数も、1コマに描かれているキャラ1点につきカウントされているなら、割りと現実的な数字かも。

作中にゲーム画面が取り上げられていれば、1話で20点くらいは軽くカウントできると思う。

ハイスコアガール以外でも東京エンカウントっていう番組で急にネオジオのナツゲーが取り上げらなれなくなったりと寂しい限り。商業メディアで当時の思い出話が聞けなくなってしまうのかねぇ…

投稿者 : 匿名

>報道ではSNKプレイモアの権利のあるものを約250点描いたとなっているので、それは多すぎると。

母数(コマの数)を考えると、そんなに多くない気がするが。

投稿者 : 匿名

>>日本は漫画が栄えている国なので、このあたりのルールも法的にしっかりしてもらいたいところではある。

ここは素直にNOかな、反対です
自由な表現への介入は最終的にはそのメディアの面白味を奪ってゆくことにつながるでしょう
別に漫画に限った事ではないですこんなの
栄えていたのはおおらかさが有ったからでしょ、それが失われれば衰退すると思います(いったん良くなったように見えても)
おおらかさの元が仮に企業の持つ、圧力の結果であっても許すべきです

その自由な表現のひとつの結果が、この問題だと言う事は十分承知していますが
「たかだかしょーもない一個の漫画が潰れたぐらいで(私は押切先生のファンです)
日本漫画の全体に及ぼすルール作りが始まるとか許容できない
どれだけこの国に漫画が有ると思ってるんだ、ツマンネェンだよ」
です。

投稿者 : 匿名

SNKPLAYMOREは一回倒産してるというか、会社がおかしくなった時があってその時にちゃんと資産の継承ができているかが焦点ですかね?

投稿者 : 匿名

つまり外野は感情論でグダグダ言 わずに経過をみまもれってことですね

投稿者 : 匿名

一度ハイスコアガールを読んでみればいいんじゃない
どういうものが訴えられてるのかよく分かる様になるよ

投稿者 : 匿名

この話なんだけど、ゲームの著作権の効力がどこまであるか?っていうところなんだよ。例えばこのブログでもゲームの話をしたり引用したりしてるけど、ふつーにゲームの話をしてるだけなので著作権上、問題になるとは思えない。
キャラのグッズを販売したりという形式とは違うんだよな。

ハイスコアガールは昔話としてゲームをプレイしたという話が描いてある程度で、ゲームのキャラを切り売りしてるわけではない。
そういう部分ではないかなと。

映画などの場合は著作権が非常に分かりやすいんですけどね。映画を上映したりすれば著作権上問題がある。ゲームでいえば製品をタダでばら撒いてるようなものだから。
でもゲームはというと、ゲームをプレイできる形でコピーしてるわけではない。ゲームを遊んだ感想を書いているだけでそれに必要な描写としてキャラの絵を描いてるだけにすぎない。
これが著作権を主張できるほどのものなのかどうか?というところ。真面目に裁判すると、実は中古裁判と同じように、ゲーム会社の主張が退かれる可能性が高いと思うのですが。

投稿者 : 匿名

ゲームの感想云々で思い出したけど、モンハンやFF11なんかのプレイ日記売ったりしてますよね
あれをどういう形で売ってるかで今回の騒動の決着が見えてくるんじゃないですか
感想、日記だから許可なしでもおkならスクエニの勝ち
感想、日記でもゲームの内容ありきのものでお金取るんだから許可はいるならSNKプレイモアーの勝ち

参考になりそうな気がするんですが、どーっすかね?

投稿者 : 匿名

プレイ日記の話ですが、昔、中古裁判が決まるまでは中古ショップがメーカーに和解金を支払ったりしてましたからあまり参考にはならないと思いますよ。当時からメーカーは自分の主張ばかり繰り返してるので。

この辺のことに関してはまだ判例も少なくはっきりしてはいません。ただ一般常識の範疇で決まるでしょう。

ただ私にはどう考えてもメーカーが勝てるとは思えません。なぜなら中古裁判の場合はまだメーカーの不利益という事情がありますが、こうした漫画を描いてもSNKに対してゲームの売上が落ちる等の不利益があるとは思えないからです。損害賠償額なんて算定しても価値がつかないでしょう。
ふつうは何かしらの不利益を被ったから損害賠償を請求すると思うのですが。

投稿者 : 匿名

今更中古論争蒸し返すのは如何なものかと
別エントリでこの記事あったが

投稿者 : 匿名

他社も権利を取っていなかったって投稿したのに無視されましたが、そういう点もあるんじゃないですかね。

投稿者 : 傍観者

>投稿者 : 匿名 2014年10月12日 02:39
>ゲームの話をしたり引用したりしてるけど、ふつーにゲームの話をしてるだけなので著作権上、問題になるとは思えない。

内容しだいでは、違法になるよ。
感想でも、その著作物の価値が下がる(売れなくなる)ような事を書くと、訴えられたら負ける。
例えば、推理物の犯人とか書いたりしたらアウト。


今回の騒動は、民事じゃなく刑事事件になった事が大きい。
警察が不起訴にしたら、ワンチャンあるので民事裁判へ。
スクエニが裁判起こしたのは、警察が不起訴にしたからかもしれないね(確認してないが)

投稿者 : 匿名