ソニーの決算絡みのコメントにあえて触れてみる

さて、ソニーの決算発表をもとに、何度か今後のソニーについて触れてみた。

『ソニー決算発表ゲーム部門解説、PS4を売るものの計画大幅未達、悪化するゲーム事業の内訳は』『PS Vitaの末期到来、撤退時期はE3 2014で把握可能か』『PS4の今期販売予想をソニーは1200万台と計画か、その根拠』と取り上げましたね。

多くのコメントが寄せられたので、いくつかその疑問にお答えしようと思う。

あまりコメントを取り上げることはしないのだが、結構多くの勘違いを生んでいる部分も多いようなので、今回は特別に。

ここで取り上げるコメントは一部抜粋も含むので、あらかじめご了承を。

では、さっそく見ていきましょう。

『あれ、SONYだけ？任天堂は記事にしないのですか？』(『ソニー決算発表ゲーム部門解説、PS4を売るものの計画大幅未達、悪化するゲーム事業の内訳は』より)

すでに決算発表で発表された内容を2回取り上げてあるのだが・・・。

『ポケットモンスター オメガルビー、アルファサファイアが発売されてもニンテンドー3DSの復活の見込みは乏しい』『任天堂がWiiU等でフィギュアを用いた新しいゲームサービスを実施へ、一番相性の良いゲームはあのゲーム』ですね。

次のコメントです。PS3の売れ行きが落ちたことに対するコメントです。

『これ間違ってると思う
誰もが当たり前に予想できることが問題になるだろうか？』(『ソニー決算発表ゲーム部門解説、PS4を売るものの計画大幅未達、悪化するゲーム事業の内訳は』より)

この人が何を思っているのか知らないが、PS3の売れ行きが想定外に落ち込んだといったのはソニーの人間だから。

私じゃないんだ。

ソニー側の発言なんだよ。

具体的にどれくらい落ち込んだのでしょうか？

ソニーは当初、2013年4月から2014年3月まで、1000万台のPS3を販売する計画を立てていた。その後、PS4の500万台という予想を加え、据置ゲーム機は1500万台売るとしていた。

しかし、結果はPS4は700万台近く売れたが、PS3は1000万台の予想から大きく外れ、760万台にとどまった。この240万台の落ち込みを、ソニー側が想定外として述べていたわけだ。

コメントでは誰もが予想できることとあるが、細かい数字までぴったり予想なんて不可能だ。だからこそ、据置ゲーム機全体で計画未達という問題のある結果が出てきているのだが。

次のコメントです。

『＞一部のPC向けゲームソフトウエアタイトルの評価減62億円を計上したことなどにより

と言う文章を読んでないのか、見てないフリなのか。
それにPS3が売れなくても、サードのソフトが売れれば問題無し。』(『ソニー決算発表ゲーム部門解説、PS4を売るものの計画大幅未達、悪化するゲーム事業の内訳は』より)

少なくともその際に取り上げた内容との絡みは薄いと思うが。

ゲーム事業の収益について語りたいのであれば、その数字を考慮しても、ゲーム部門は赤字なので、赤か黒かの結果に関しても変化がない。

PS3が売れなくてもの件は何が言いたいのかよくわからないが、収益が得やすい環境のものが売れないのは結果として利益に結びつかないので良いわけがない。

次のコメントです。

『700万台売ったというのも眉唾物ですね
今回の決算で詳細出てないんで』(『ソニー決算発表ゲーム部門解説、PS4を売るものの計画大幅未達、悪化するゲーム事業の内訳は』より)

これは勘違いだろう。

どう勘違いなのですか？

最初、なんでこういうコメントが来ているのかよくわからなかったのでネットで調べてみたら、どうも質疑応答の際の発言が誤解されてこのような話になったようだ。

そもそもの話として、PS4の販売台数を問うような質問自体が無かったのだが、それを曲解した人がいるようで。

正しい内容はどういうことなのでしょうか？

2014年4月から2015年3月まで、据置ゲーム機は1700万台売る予定だ、という資料があり、それに対して質問をした人がいる。

そして、前期はPS3が大幅に落ち込んだため、今期も当然落ち込むだろう。となると、1700万台の中にPS4の売れゆきが占める割合は大きいんですよね、というような意味の質問で、それに対して会社側は、そうです、と答えたわけだ。

ここでは今期にPS4がいくつ売れるのですか、という具体的な数字を質問者もしていなかったし、だからこそ会社側も内訳を述べていなかった。

ただ、ネット上では、この1700万台という数字を700万台と聞き間違えてPS4絡みの前期の数字と勘違いし、なおかつ、内訳を言わなかったものだから、なぜかPS4販売700万台というプレスリリースの数字自体が真実ではないのではないか、というような解釈に至ったようで。

そういった話はそもそも質疑応答にはなかったので、この点はお間違えないように。

あと、700万台販売の発表は4月6日時点での話なので、決算対象の3月31日時点では700万台行っていないと思われる。

次のコメントです。

『立ち上げ時期に80億円程度の赤字ですんでいて
想定以上のペースで売れているPS4よりWiiUのほうが
深刻な事態だと思いますがいかがでしょう？』(『ソニー決算発表ゲーム部門解説、PS4を売るものの計画大幅未達、悪化するゲーム事業の内訳は』より)

ソニーの決算発表から出てきた数字をもとに語っているので、PS4について語れてもWiiUには語れんわな。

次のコメントです。これは先に別の人に対するコメントへの返答のような形で書いたものと思われます。

『何に反応したのかわかりませんが、私の書いたものをもう一度読んでもらえば解るとおり、見えない敵と戦っている人たちとは違って売り上げなんて気にしていないユーザーにとっては遊ぶという点だけ見れば去年より期待できる状況だと思いません？

正直、ユーザーからすると本体が売れようが売れまいが、撤退さえしなければ関係ないんですよね。そういう意味でＶｉｔａはソフトがそろってきたし、ＰＳ４は売り上げが悲惨になってもソフトは出続けるから期待できると書いたのですが、どこか間違ってます？』(『ソニー決算発表ゲーム部門解説、PS4を売るものの計画大幅未達、悪化するゲーム事業の内訳は』より)

決算の話をしている場で一個人の趣味趣向を取り上げられても困るだろう。

自分が面白ければいい、の末路がドリームキャストなんだから。

決算がどうなるのか、会社がどうなるのかを見るときには一個人の考えよりかは、全体としてどうなのかを見る方が適切かと。

ここからは別の記事へのコメントです。

『SONYの決算の話は２回やるのに任天堂の決算はスルーすんのか』(『PS Vitaの末期到来、撤退時期はE3 2014で把握可能か』より)

先に述べたように任天堂も2回やってますな。

次のコメントです。

『確かにあまり売れてないけど、Vitaは逆ザヤではないんでしょ？
だったら存続させるでしょう。
一応PS4との連携も売りな訳ですしね。
まぁVitaTVを海外で展開するかはわからないけども・・・』(『PS Vitaの末期到来、撤退時期はE3 2014で把握可能か』より)

逆ザヤがあるかどうかは不明だ。

ただ、PS Vita発売前にPS Vitaのビジネスは3年くらいを目途に収益化するようなことを言っていた。

その当時から想定以上に悪い状況で進んでいる中、本当に本体単体で見ても利益が出ているのかはなんとも言えないだろう。

また、単に製造単価と販売単価だけを見比べて赤か黒かでは意味がない。

倉庫なども含む輸送コスト、人件費、宣伝広告費などなど、お金が出る部分は多々ある。本体の販売でこれらの費用を賄うことができず、ソフトもほとんど売れていないではお話にならない。

このような場合は、徐々に規模を小さくしていかざるを得ない。規模が小さくなればソフトも出なくなり、結果としてPS Vitaが無くなる。

日本だけは栄えているじゃないか、という話をする人も多いのだが、ゲーム機ビジネスで日本のみで収益を満足に出せるほど甘くはないって。というような話は過去に何度もしている。

だからこそ、海外で、というよりかは世界でどれだけ売れるか、というのが重要なわけだ。

次のコメントです。

『Vita TVって日本・アジア・中国向けに企画された製品で、欧米展開は元々未定なのにいつ発売予定になったの？』(『PS Vitaの末期到来、撤退時期はE3 2014で把握可能か』より)

だからこそ、E3 2014で発表があるかどうかに注目だという話。

仮にPS Vita TVが日本などで売れていれば、当然発売を積極的に検討しただろうが、そうでない今、そうした考えはやめて発売を中止することもある。

E3 2014でPS Vitaについてどういう発表があるかによって、PS Vitaの今後を占うことができる。その一つが、このPS Vita TVの有無という話をしたわけだ。

あと、勘違いされている人もいるようなので、一言言っておこう。

どういう勘違いですか？

E3 2014でPS Vitaを撤退します、という発表があるという意味じゃないからね。

PS Vita TVを含む、PS Vita関連の情報を見ることで、ソニーの海外市場での本気度がわかり、それによって撤退時期を推し量ることができる、という話を先にしたわけだ。

推測の材料がE3 2014にあるというだけの話。

なんだか、E3 2014のソニーの発表会で最後に平井一夫がPS Vita本体を高々と掲げ、そして床に置いて去っていくようなことがあるのではないかと思っている人もいるようだが、そういったことではないからな。

・・・・・・。

別の記事のコメントに移ります。PS4の今期の販売台数の予想は1200万台ではないか、という話についてです。

『貴方がそういうのならそれ以上に売れるのでは？

根拠と言われても困りますが、
まあここ数年、PSハードの売上は貴方の予想を悉く上回っていますので。

現実では常にまこなこさんの予想より数段上の売り上げが見込めるのかなと私は予想します。』(『PS4の今期販売予想をソニーは1200万台と計画か、その根拠』より)

次のコメントです。

『公式発表があったならともかく自分で数字出しておいて自分でなんだかなって...
それこそなんだかなって感じなんですが』(『PS4の今期販売予想をソニーは1200万台と計画か、その根拠』より)

深い意味はないので。

ソニーに縁が深い数字が導き出されたな、という程度の話だ。

この他、同じところではPS3の大幅な販売下落の数字の算出がおかしいのでは、という指摘があります。PS2もそれなりに売れていたので、PS2の販売台数を考慮しないのはどうかという指摘です。

そういった部分を除いても、ソニーの今期のPS4の販売台数は1200万台前後で良いかと。

二年前のPS3の販売台数を1250万台と見積もっている人がいたので、それで計算しても、昨年の段階で500万台も落ちているので、結局大幅に落ちていることには変わりない。

PS4の販売でPS3の下落分が補えていなかったのも事実なんだし、今期はPS3のさらなる落ち込みを考慮しても本当に1700万台行けるのかどうか、というところには注目していくべきだろう。

次のコメントです。

『何でソニーの決算の話ばかりして任天堂の決算の話をしないんですか？
そういうのを「ダブスタ」って言うんですよ。』(『PS4の今期販売予想をソニーは1200万台と計画か、その根拠』より)

すでに2回だな・・・。

最後に訂正があります。

いくつか決算を取り上げた記事の中で、数字に誤りがありましたので訂正しました。

具体的には1700-550=1250という部分を1150に、また、今期の携帯ゲーム機の販売予想が350であるところを370と記載し、その数字によって計算していた数字も含めて修正してあります。

と、こんなところか。

コメントの中に任天堂の決算はどうなんだ、という話もあるが、すでに述べているように2回ほど決算発表の際の新情報や数字をもとにした話もしている。

ソニーに関してはPS4が予想以上売れているもののPS3の大きな落ち込みの問題として1点と、携帯ゲーム機の将来、据置ゲーム機の将来の3つに分けているものの、取り上げているボリュームは任天堂とさしてかわらないかと。

問題は・・・。

何か問題が？

キネクトを取り除いたXbox Oneの発売が発表されたのに取り上げる余裕がなかったということかな・・・。

この1週間で立て続けにいろいろな情報が出てきましたので、取り上げるタイミングがありませんでしたね。

と、いうわけで、ソニーの決算発表絡みの話はお終いとして。

次は5月22日に経営方針説明会があるので、そこでゲーム関連で興味深いものがあれば取り上げようと思う。

それにしても、久しぶりにゲーム関連でいろいろと考えられてよかったよかった。