月姫リメイクWindows版はストーリーが改編？レーティング制度による影響

2008年4月21日：月姫リメイクWindows版はストーリーが改編？レーティング制度による影響

今日は「TYPE-MOONエース」の発売日ですね。新作が載っていると4月14日『タイプムーン(TYPE-MOON)最新作発表！完全新作「魔法使いの夜」？月姫PS2版？』でお伝えしましたが、どうだったのかな？

■TYPE-MOONエース

発売日：2008年4月21日
価格：780円

■豪華2大付録
1.Fate/Zero CDケース
2.TYPE-MOONスクールカレンダー

※画像クリックでamazon.co.jpにて予約販売・購入可能

なんと、3作品も発表されました。「月姫」「魔法使いの夜」「ガールズワーク」の3作品です。すべてWindows版となっていまして、家庭用向けは残念ながらありませんでした。

前回、PS2版が出るかも、とか言っていた人がいたはずですが…。

誰かね、そんな怪しからん人は。

あんたでしょうに！！

可能性を言っただけだから。仮にPS2に出すとしたら発表するなら今だよね、ってくらいの感じで。実際はストーリーとかが大幅に改編せざるを得なくなるので、仮に出たとしてもストーリーが大幅に変わった、まったく別物が出てこざるを得ず。そんなものを望む人がどれくらいいるかとなると、また微妙なところなので、家庭用で出すのはやめたのだろう。

なぜ、大幅にストーリーが変わってしまうのですか？

家庭用で出す場合は、CERO、コンピュータエンターテインメントレーティング機構というところに原則チェックしてもらって、それで通れば流通させることができるようになっている。チェックしてもらわなくても出せるかもしれないけど、流通の方で審査が通っていないのであれば流通させられない、となってしまうこともあるから。もし、チェックされていない、もしくはチェックでレーティングが与えられないソフトを市場に出してしまった時、社会的トラブルに発展したら流通などの責任問題も浮上するから。そんなリスクは負いたくないので、流通させない、となる。

そのため、家庭用では無理というわけなのですね。

で、実はWindowsでも同様の問題があり。

家庭用以外でもあるのですか！？

EOCSのことですね。

EOCS、つまりはコンピュータソフトウェア倫理機構というのがある。英文字だと「Ethics Organization of Computer Software」。まあ、エロゲーとかはたいていここで審査を受けて、許可が出れば18才未満お断りシールが貼られて一般流通に並ぶわけだ。当然、審査するわけだが…。

「月姫」でしたらそれほど描写も厳しくないのですから、問題ないのではないでしょうか？

絵的な部分は良いとしても、表現というかストーリーの方に引っかかる要素があり。

ストーリー！？

実は、レーティングについては、発売された「TYPE-MOONエース」でも語られている。インタビューを受けているのはタイプムーン代表、という表現で良いと思うのだが、武内崇となっている。前半部分はインタビュアーの発言。

『レーティングが未定となっていますよね。これは、一般作品になる可能性もあると言うことですか？

武内うーん、発売時期の状況によって色々な影響を受けそうですので、現時点では「未定」と表記させて頂きました。何をもって月姫らしさとするか、という部分にも関わってくる問題かもしれませんしね。慎重に決めていきたいと思っています。』(「TYPE-MOONエース」より)

おお、一般作品の可能性もあるのですか。

いや、その読みとり方はどう考えても違うだろ。

すみません…。

要は、EOCSでのレーティングに通らない可能性が現状では高いので、場合によってはレーティング無しの状態、つまりは審査等無しで出さざるを得なくなる可能性もあるということ。審査を受けないのだから、レーティングそのものが無く、結果として、何もない、もしくは強引に言うのなら、一般作品と言えなくもない状況になる。

なるほど。

あとは、倫理規程だけでなく、社会情勢に関しても作品に影響を与える可能性もあるため、その点も含めて、どうすべきかを悩んでいるのだろう。場合によっては話を変えざるを得なくなるというわけだ。そして、変えたら、それが月姫らしさを損ねるのか、それでも十分受け入れられるのか、その選択をどうすべきかを、上で紹介したインタビューの中に含まれているのだよ。

では、どうすればいいのでしょうか？

ストーリーを変える方向はおいておいて、他に方法があるとしたら、やはりレーティング無しで行くのがベストだと思う。ただ、もし、社会的に問題になった際には、責任を取らざるを得なくなる。ストーリー性、世界観を重視するか、会社、もしくはブランドの存続を維持するため、曲げるか。別会社作って、そこから発売して、問題になったら切るとかもできなくはないけど、ネットのうるさい連中がしつこく付きまとうから、あんまり効果はないだろう。

些細なことでもおおごとになってしまうこともありますからね。

まあ、それでもレーティング通らないのであれば、自身の都合で出すしかないと思うけどね。これだけのタイトルだから、流通も扱ってくれるだろうし。他所が扱わないのであれば、それだけ自分のところから売れるわけだし。一儲けしたい問屋やショップは気にせず置くだろう。何度も言うけど、問題になった時、批判の矢面に立たされる可能性もあるし、特に扱わなかったところが必死になってネットでそういった問屋やショップを非難するんだろうけどな。

……。

他にも、EOCS自体が、自分らのところを通さずに出すとはけしからん、ということで、流通に圧力かけることもありうる。EOCSを通さなければ、審査料やシール代などでEOCSが稼げないから。

……。

このように、彼らがどのような選択を選ぶのかは注目だ。発売そのものはまだまだ先だけど、発売前にレーティングがあるかどうか、扱うショップが限られるのかどうかなどで、事前にストーリーにどの部分が変わっているのか、ファンなら分かるんじゃないかな。

そうなりますと、同人ソフトの方の「月姫」はさらに価値が上がってしまいますね。

なので、Windows版が出るんだ、ということで、今もっているものを処分しない方が良いだろう。

了解であります。

余談だけど、流通段階ではストーリーを変更して出しておいて、パッチダウンロードで既存のストーリーへ変更できるとかするという方法もありかも。

ですが、やはり批判は免れないのでは？

その場合は、パッチとしてでなく、データが流出しましたということにして、自らどこかにアップロードして、ネットで情報流してダウンロードさせるとか。

それは…。

今の世の中、最新アニメが放映前にネットでアップロードされる時代だし、これくらいのトラブルがあってもおかしくないだろ。

……。

ああ、そうそう、もう一個余談だけど、なんかタイプムーンとニトロプラスのコラボレーションとして出た「Fate」絡みの小説が、なぜかamazon.co.jpで買えるようになったとかあったので、もし興味があるのであれば、チェックしてみよう。書籍流通ではないので、一般の書店には今まで並んでいなかった。このため、初めて知ったという人もいるかもしれないので、ついでに紹介しておく。