任天堂の前期決算、今期決算予想、そして代表取締役他役員人事大幅刷新をどう見るべきか

任天堂が前期の決算予想に関して修正したようだね。

全体的に大きく予想から落ちています。為替の影響もあるため、純利益は黒字ですが、営業利益は大幅に悪化、純利益なども予想より大きく落ち込んでいます。

他にも今期の予想についても出ているようだけど？

今期は1000億円の営業利益を予想しています。また、売り上げも前期の約1.5倍を予想しています。

決算とは異なりますが、役員も大きく変更したようだね。特に代表取締役も2名変更されるなど、大きな変化があります。

これらの動きについて、どう考えますか？まずは前期の決算から見ていこう。

前期の決算に関してはこんなものだろう。WiiUが伸びていないし、ニンテンドー3DSも海外で勢いがない。

為替によって、黒字になるのでは、というような話も以前にしているし。まあ、企業を見るうえで為替は大事だが、そうした数字だけに目を奪われることなく、本業がどうなっているのかをしっかり見ていきたいものだ。

このあたりは常日頃から伝えている通りなので、いまさら言うまでもない。

では、今期の業績はどうでしょうか？社長がコミットメントと述べていた営業利益1000億円を掲げていますが。

そのイコールの数字にした時点で、もう岩田聡はダメなのかもしれない。

と、言いますと？

明らかに自分の発言に合わる形で営業利益を設定しているから。本来であれば、市場環境などを含めた状況を勘案し、数字を予想として出すべきなのだが、これを見る限りではそうではない。

このように、数字ありきで動き出すと、いたるところに不具合が生じる。

実際にやるかどうかはわからないが、不出来な状態のソフトをそのまま出してしまったり、利益重視のために将来のためにすべき投資を減らしたり。

数字合わせをしようと思えばいくらでも達成できるだろうが、それによる不具合はWiiUをはるかに超える。

えっと、どういうことでしょうか。

任天堂には王道を行ってもらいたかったという気持ちがあるだけに、こうした猪口才なことはしてもらいたくなかったのだが。

3月22日『任天堂岩田聡が犯した2つの大罪』で2つの大きなミスを取り上げたが、こうした動きが3つ目の大罪となるかもしれない。

それくらい、こうした発想による行動は危険だ。

もっとも、創業者社長でないこともあり、王道で行くのが難しい側面もあるんだけどね。任天堂内部にも外資系を中心とした株主などにも数字だけを求める鬱陶しい存在が多いだろうし。

では、今期の1000億円は厳しいと？

それは一概には言えない。

なぜですか？

発表された決算短信を見ると、為替レートを米ドル90円、ユーロ120円で計算している。

ご存知の通り、今現在、米ドルは100円に迫る数字だし、ユーロも130円に迫っている。今後、この為替状況によっては1000億円を超える数字も期待できる。

もっとも、これは今期の展開で1000億円になるという予想をしていること前提だが。単に社長のコミットメントによっての数字でないという前提での話だ。どうであるかは不明なので、最終的には来年の今頃まで様子を見ないと何とも言えない。

最後に、代表取締役などの役員を大幅に入れ替えてきました。これはどう見たらいいのでしょうか？

最初、この案内を見たとき、岩田聡が辞めるのかと思ってしまったよ。

決算内容を見ると、その可能性もあり得ましたね。

実際に辞めるのは年配の方々だ。

4人辞めるのだが、それぞれ年齢が71歳が2名、68歳、63歳と、結構な年齢になっている。戦前生まれが3名もいたわけだ。

このうち、ファミコン以前から任天堂にいた人も2名いるなど、なかなか歴史ある人物だったりもする。

市場環境も大きく変わっていくこともあり、このあたりで辞めるのも良いのではなかろうか。生き続けることはだれもできないんだし、どこかで辞める必要があるからね。

ちなみに、ファミコン時代の任天堂三代目社長は2002年に辞めたときに74歳。今は85歳。

社内の新陳代謝としての役員変更なわけですね。

来年は社長も新陳代謝の方向で。

そういうことを言うのはやめてください・・・。