なぜ任天堂は廉価版を発売しないのか、価格の流動性など

twitter経由でコメントを頂きましたので紹介します。

『まこなこさんはゲームの中古販売についてどちらかというと否定的な態度をとっておられますが、任天堂が自社ソフトの廉価版を出さないことについてどう思われますか?

SCEやMSは廉価版を出すことによってお金はあまりないけれど新品を買いたい需要を生んでると思います。

そういう廉価版(Best版)は中古対策になっていると思うのですが。』(twitterより)

ソニーはBestシリーズ、マイクロソフトはプラチナコレクションという形で以前発売されたソフトの値段を下げて再発売しています。

また、メーカー単位でも同様のことを行っているところが多くあります。スクウェアエニックスのアルティメットヒットシリーズなどが該当します。

他のメーカーの動きなどを見ると、確かに任天堂だけが行っていない印象を受けますね。

過去にはゲームボーイアドバンス時代で「バリューコレクション」という展開を行っていました。これも廉価版ソフトで、任天堂ソフトも一部対象になっていました。

また、Wiiの時代では「みんなのおすすめセレクション」という展開も行っています。ですが、こちらは任天堂のソフトは対象外で、独自集計されたアンケート結果で良かったものを中心に、ソフトメーカーのソフトを廉価版シリーズとして発売しています。

そうなりますと、ゲームボーイアドバンス時代以降から今までは任天堂のソフトの廉価版はなかったということになるね。

よく言われている理由は、廉価版を出さなくても売れ続けるという点が挙げられます。

もしかしたら、過去の実施例を見て、廉価版にしても売れ行きが伸びないなどの理由があったのかもしれません。その売れ行きの伸びと、価格を据え置いた状態で販売したときに、利益がどう異なるのかも重要に思えます。

他にも、廉価版を発売することで新品の買い控えを起こしてしまうことが、将来的にマイナスに作用してしまうことも考えられます。いつ買っても同じ値段ということが大事ですね。ブランドの維持にもつながります。

今日はすべて話し終えましたね。

いや、それだけではまだ十分とは言えない。

他にも細かい話はあるかと思いますが、これくらいで十分と思いますが・・・。

一番重要な話は、売る対象が他のメーカーと違うということだ。

売る対象ですか?

ソニーやマイクロソフトは、言ってしまえばコアなゲームユーザー向けに商売をしているのだが、任天堂はゲームユーザーではない層を相手に商売している。俗にライトユーザーとか言われる層だ。

ライトユーザーがどこでゲームを買うかというと、イトーヨーカドーなどのスーパーであったり、ヨドバシカメラのような大型家電量販店などで買う。そして、そうしたところでは中古の取り扱い自体が無い。

一方、ソニーやマイクロソフトの商品は、大型家電量販店か、もしくは地元のゲームショップなどで買われることになる。そして、地元のゲームショップには中古がある。

売る対象のユーザーがどこにいるかを考えると、なぜソニーとマイクロソフトは中古対策として廉価版を発売し、逆になぜ任天堂が廉価版を発売しないのかがわかる。

それは、コアユーザーは中古を利用して、ライトユーザーはあまり利用しないという考えでしょうか?

必ずしもコアユーザーが中古を利用するとは限らないけど、おおむねそういった考えでいいだろう。

スーパーに買い物に行くような層は、だいたい子供がいるような家庭だ。生活状況は人それぞれだが、そうした層が安いからといって中古に買いにいくこともないだろう。子供を産むことが出来ているのだから、お金にさほど逼迫していないし。逆に、中古で誰が触ったかわからないような汚いものを買って子供に買い与えるという方が考えにくい。

ソフトも1本買って長期間楽しむことが多いため、中古での売買で回転させていくこともないから。

逆に、コアユーザーの中には数を多く楽しむために、中古売買をすることもある。そうした人に対して新品に興味を持ってもらうのであれば、安くした廉価版が必要になる。

コアユーザーの中には新品で買っても発売1週間でクリアしてすぐに中古に売りに行くということをする人も多いようですね。

買い取り価格が高いお店もありますから、実質数百円程度で1本のゲームが楽しめることもあります。

あと、廉価版を出すと、新品と同じく場所を取るにも関わらず、小売店側が得られる利益が減るという欠点もある。

なので、スーパーなどは廉価版を望まないのでは、という考えもある。この考えが任天堂側と一致して、廉価版を出さないということも考えとしてあると思っていい。

なぜ利益が減るのですか?

仮に1本ソフトを売って得られる利益の割合が25%とする。5000円のソフトであれば、1250円の利益だ。しかし、これが廉価版にして、仮に2500円で売るとなると、1本売っても利益は625円にしかならない。

同じ棚に並べているにも関わらず、得られる利益に差が出るのであれば、多い方がいいよな。

言うまでもなく、残ったときのリスクも高くなるけど、任天堂ソフトの場合はリスクが少ないという傾向があるので、その心配は少ない。

任天堂としても、パッケージ化するときの費用は通常版でも廉価版でも同じだ。仮に500円とした場合、通常版5000円から見たら10%でしかないが、廉価版の2500円としてみたら20%もパッケージ化の費用にかかることになる。

こうしたことも考慮に入れる必要がある。

買い手側の考えだけでなく、売り手側の考えも重要なわけですね。

任天堂だけに限らず、価格に関してはもうちょっと流動的にできる仕組みにした方がいいと思うんだけどね。

海外だと売れないとどんどん新品の値段が下がっていくようにさ。

過去、コナミがオープン価格を導入したことがあったけど、うまくいかなかった。

しかし、今一度、検討してみるべきだ。特に廉価版を発売しているようなメーカーはさ。

ダウンロード販売のメリットは気軽に価格を変更できる点にあるので、そうした部分との兼ね合いをうまく持たせた上での展開を考えるときにでも。

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『なぜ任天堂は廉価版を発売しないのか、価格の流動性など』へのコメント

物理的に安く出来る筈の、ダウンロード版も値段を変えないよねぇ…。(´・ω・`)

投稿者 : 匿名

子供のいる家庭が脳内妄想すぎませんかね
そりゃ3DSなど本体はさすがに新品を買いましたが
子供は生まれたら成長するごとにどんどんお金かかりますし
よほど稼いでないと子供居ない家庭より金銭的にはきついですよ

投稿者 : 匿名

>廉価版を発売することで新品の買い控えを起こしてしまうことが
ベスト版や廉価版が発売される基準がよくわかりませんのでなんとも言えませんがこれはない気がします。(基本的に売れてないソフトって廉価版出ましたっけ?)
曲芸商法や完全版商法ならともかく、少しでも欲しいソフトなら(いつ)出るかも分からない廉価版に期待する人はいないかと。

投稿者 : 匿名

北米ですとNintendo Selectsという名前でマリオとかゼルダの廉価版があって、ちょっとうらやましく思ったり

投稿者 : 匿名

任天堂が廉価版を出さないのは日本だけなんだけどね。
北米なんかだと普通に$20の廉価版を発売している。

まあ海外とのサービス格差は昔からだけど。

投稿者 : 匿名

そこら辺の所を任天堂はどう思ってるのか興味深いですね

今はコア層獲得とか言ってる場合じゃないほど追い詰められてますから動きはないでしょうけど
元々コア層の獲得は任天堂の悲願であり
3DS発表時にもWiiU発表時にも何度もコア層を獲得すると強くアピールしてきましたが

廉価版を発売する動きが無かった所を見ると
ファーストはあくまでカジュアル層向けでコア層獲得は完全にサード任せにするつもりだったんでしょうかね?
もしそうなら詰めが甘いと思いますけど

せめてゼノブレイドみたいなライト層向けで
コア層にも多少興味もたれるタイトルは廉価版を出すべきだと思いますよ

投稿者 : 匿名

数は少ないけど、2800円のDS廉価版は
ありますよ

投稿者 : ヤマトトマト

ヴァーチャルコンソールは、さすがに元より廉価な設定ですね。付け加えるならファミコンミニも?
 ハードや発売時期が違う時点で、いわゆる「廉価版」には該当しないと思われますが。

 ただヴァーチャルコンソールは、購入しに行く時点で一定レベル以上の「マニア」と言えるかもしれません。
 お店の売り場を占有もしませんし、だからこそ安価にしていると考えたら辻褄は合いますね。

投稿者 : 匿名

廉価版を頻繁に出すメーカーだと、どうせ廉価出るからまだ買わなくて良いやって思ったりすると思う。
自分が高値で買ったのに、メーカーの介入でいきなり市場価格が落とされたら気持ち良いものじゃない。

やっぱりユーザーにとって一番いいのは、廉価版も完全版もなくして中古市場と共存した方が良い。ユーザーが新品を買う事に恐れを感じるような商売を続けてれば、上手く行かなくなるのは当然。

投稿者 : 匿名

ライトユーザーがあまり中古を利用しないという理屈が未だによくわからんのですが

そういうライトユーザーなひとは中古本に抵抗を示すのでしょうか?
中古の服はどうでしょうか、あるいはPCや家電はどうでしょうか
もっと言えば中古の車や家などなど・・・
ゲームの中古にだけ抵抗を示すなんてことがあるのでしょうか
もしそうなら任天堂の(ソフトではなく)ハードの中古も売れてませんよね

投稿者 : 匿名

>ライトユーザーがあまり中古を利用しないという理屈が未だによくわからんのですが

ライトユーザーと言うか、子供に買い与える場合、中古売り場には行きませんよ。PTAなどの親が集まる場所では、なるべくそういう場所(ゲームショップなど)から子供を遠ざけたいと言う話が出ますし

上で子供がいた方が金銭的に厳しいと言う人が居ますが、厳しい人はそもそもゲームをあまり買い与えませんし、それ以外でも私の知っている限りでは誕生日とクリスマスだけ(またはそのどちらか)買い与えると言う方が多いように思えます

この場合、わざわざ中古を買うために中古が売っている店まで足を運ぶ人の方が少ないのではないでしょうか?

>ゲームの中古にだけ抵抗を示すなんてことがあるのでしょうか
あなた方は想像出来ないかもしれませんが、新品を買い与える層(小学生以下の親など)はゲームそのものに抵抗があるんですよ。だから、ゲームは高いものと子供に思わせておいたほうが都合がいいのです

投稿者 : 匿名

>投稿者 : 2013年7月15日 11:40
>ライトユーザーがあまり中古を利用しないという理屈が未だによくわからんのですが

ライトユーザーは、年に数本しか買わないから、気にしないで新品を買う。
って言うか”ゲームを中古で買う”って考えがない。

あまりゲームをやらない親戚連中は、こんな感じだよ

投稿者 : 匿名

任天堂が値下げをするのは売れない時だけ
ハードの値下げの仕方を見ればはっきりわかる

投稿者 : 匿名

映画だと新作上映前に旧作をテレビ放映して、一種の宣伝効果を生み出す、何てことをする。たまたま見た人が新作を見に行こうと思ってくれるかもしれないからね。それと同じでゲームも廉価版を出してフルプライスでは買う気の起きなかったユーザーを取り込み、次回作の潜在的ユーザーにする、という思惑もあるのだろう。

 一方で、先に買った人が損をしたと思わせたくないから値下げしない安くしない廉価版を出さないという考え方も、それはそれでありだろう。でも、それを強調して言い続けると、値下げせざるを得なくなった場合に大きく信頼を失うんだけどね。3DSをわずか半年で一万円も値下げしてからの任天堂のように。

投稿者 : 匿名

中古を利用するのは一部だ
車や家と比較するもんじゃねーよ

投稿者 : 匿名

中古は嫌いだな
フリマとか人が使った服なんて気持ち悪い

自分の読んだ本や着れなくなった福も中古に出したくないから処分してる

投稿者 : 匿名

自分の場合、例えばSCEのソフトなんかはかなりの確率で廉価版が出るから、まず通常版は買わない。廉価版を待つから中古でも買わない。
だから最大限の利益にはならないけど、最低限の利益にはなる客。それがメーカーにとってどの程度有益なのかは分からないけどね。

投稿者 : 匿名

>子供を産むことが出来ているのだから、お金にさほど逼迫していないし。

えらく偏った、独身者の意見だな・・・。
なんか、少子化の原因はこんな偏った考え方にも、責任が在るのではないか?

投稿者 : 匿名

中古で買い与えるよりマジコン使わせそうって感じはしますな。
周りにゲーム機買い与える歳の子供持ってる家族がいないので予断ですが。
あとwiiじゃ廉価版やってませんでしたっけ?

投稿者 : 匿名

というか単純にパーティーソフト以外の本数が少ないんじゃない?
任天堂は四人対戦というイメージが
ある。
んで、パーティーゲームって頻繁にバージョンアップするマリオパーティー以外は高いんだよね。

投稿者 : 匿名

DL版はメモカ代があるから、数本買って初めてお得感があるんだよね。

もう年に3-4本買うかどうかだからなんかね。

投稿者 : 匿名

一年以上もかかる廉価版をわざわざ待つ人なんてそうそういないでしょう
ゲームに積極的なユーザーが多いpsxboxなら尚更
売れてる廉価版はライト層にも受けるソフトだけだしな

投稿者 : 匿名