小売店はいくらからソフトを赤字で売っていることになるのか

2010年2月9日:小売店はいくらからソフトを赤字で売っていることになるのか
今回はソフトの赤字販売に関して取り上げてみようと思う。
ソフトの赤字販売?
小売店が安売りしているのを見かけると思うが、これで利益が出ているのかどうか、逆に赤字なのかどうかの目安の紹介だ。
一体、いくらくらいから赤字になるのでしょうか?
ポイントなどを付けないこと前提で考えると、基本的にソフトの仕入れ値は希望小売価格の75%なので、この価格以下になると小売店は赤字で売っていることになる。
75%ですか。
8000円のソフトでしたら6000円、7000円でしたら5250円、6000円でしたら4500円、5000円でしたら3750円が基準ですね。
少し安くなったくらいで売れていないという印象を持つ人もいるが、少なくともこのラインを上回っていれば、小売店側には利益が出るというわけだ。まあ、もうちょっと高く売れるのに安くなるのには理由があるわけだけどね。
それはそうですね...。
先ほど前提条件を付けましたけど、他にどういったことを考える必要があるのでしょうか?
まず、ポイントに関してだが、ポイントサービスをしているところだと、通常時より安くすると、ポイント分赤字になるということが有りうる。10%ポイントを付けて、販売価格は希望小売価格の80%だとすると、実質約70%で売っていることになるからね。
それはそうですね。
ただ、これも一概には言えず。
どう考えても損しているじゃないですか...。
人は必ずしもポイントを使うわけではないということがあり。ポイントを発行してもポイントを使わない人が世の中に一定数以上いるため、必ずしも約70%になっているかは未知数だ。この辺りは、ショップに応じてどれくらいの割合でポイントを使用されているかなど、別の要素を考える必要がある。ポイントは一定期間経過すると無効になったりして、その無効分を各小売店も期待していたりするから。
そんな考え方もあるのですね。
次に、リベートの有無も影響する。仕入れが75%であっても、別途リベートがあれば実質仕入れ値が下がることになる。このあたりも考慮して値下げをしていれば、赤字ではないことになる。
ふむ。
最後に、実績を作るために安く売るという手法もある。
実績とは?
メーカーは過去の販売数に応じて注目新作ソフトの出荷数を調整することがあるのだが、その時に小売店側に卸す数字の参考となるのが実績だ。これに応じて発売日に多めに商品を回したりといったことをする。任天堂やスクウェアエニックスなどが良い例ですな。この実績作りのためにソフトを多めに仕入れ、安く売って実績を作るという手法もある。
そんな方法もあるのですか!?
amazon.co.jpなんかを見ていると、スクウェアエニックス系でこの傾向が見られている。「キングダムハーツ バースバイスリープ」など、もうちょっと高くでもいいのではと思えるタイトルでも23%オフとかにしていたり、「ドラゴンクエスト6」でも同様の傾向がある。
一般の店舗では太刀打ちできない価格ですね。
しかも送料無料だしね。集客のためであれば、他のソフトでもやればいいのだが、どうもスクウェアエニックスのソフトだけということを見ると、今回紹介した見解もあながち間違いではないだろう。もしくは、スクウェアエニックスのソフトを安く仕入れることができているかのどちらかだ。
「スターオーシャン4 インターナショナル」が安いのもそういう理由ですね。
いや、それは単なる仕入れすぎの見込み違いでしかない。
あらら...。
と、こんなところだ。あと、正規の流通ルートでないところから仕入れると、中間マージンが別途かかるため、この75%という数字が当てはまらないこともある。80%になったり85%になったり。特に発売後すぐ品切れして次の入荷がいつになるか分からないようなソフトの場合、割高で仕入れざるを得ないこともある。逆に、余り気味のソフトが75%以下で仕入れることができることもあるので、そうしたソフトが特価商品になったりして店頭などで並ぶこともある。
ワゴン商品はそのお店が仕入れを失敗しただけでなく、他のお店や問屋が失敗したものを安く仕入れている可能性もあるわけですね。
このような形で安売りソフトが形成されている。これを知っておくだけで、特に75%という数字を知るだけで、また店頭での販売価格の見方が変わるだろう。ちなみに、これはソフトに関しての数字であって、本体は全く別なので、この点はあらかじめご了承を。本体はお店もあまり利益が出ない額で仕入れているので、基本的に安売りされることは無い。
去年後半に発売されて安売りされているゲーム機があると聞きますが?
ご清聴ありがとうございました。

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1つ新しい話題:ラブプラスからのバレンタインチョコはポッキー5220円(追記あり)

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『小売店はいくらからソフトを赤字で売っていることになるのか』へのコメント

amazonの仕入値はソフト関係は一律6割程度です。
その為、20%安く販売しても利益が出ていると思います。
アマゾンのHPに仕入値について記述されています。
委託登録すれば確認できます。

投稿者 : 匿名

小売りさんのブログによく
「20%引きのAmazonはウチの店の仕入れより安い」とか
「Amazon問屋」とか書かれているので、
仕入れ値は75%よりも高いと思ってました

投稿者 : 匿名

PS3のラストリベリオンを4,877円で売ってるアマゾンは赤字で叩き売りしてるって事ですか?
まさか、単なる仕入れすぎの見込み違いとか言わないですよね。
ソニーは犬企業の日本一ソフトウェアを潰す気ですかね?
PS3クオリティの正統派RPGなんだから、CMガンガンして助けてやれよ。

投稿者 : めろんぱん

レジでゲームの予約を受け付けたりソフトや本体も販売するパート(時には社員)の人件費や注目作品の売り場作りと片付けの労力(営業がやってくれることもある)、複数店舗あれば物流センターから各店舗への輸送費、実際に販売した店舗に来るお客様からのクレーム対応は無視してくださいね♪

投稿者 : 匿名

ていうかさ、小売りは赤字でなんか売らないと思うよ、最近は。

昔は売れるかどうかわからなくてもとりあえず仕入れてしまって、失敗したら安売りってのが定番だったけど、今は確実に売れる量しか仕入れないし、博打的に取らないとならないタイトルなんかほとんど無いでしょ。
あるとすればポケモンとかマリオとかなわけで、そういうのがこけることはあまりない。他が下げれば仕方ないけど、下げないなら一年でも二年でも棚に置いて我慢して売ってくよ。
任天堂はベストもないから安心だし。

小売りが赤字で売るってケースはそれこそ期末の1タイトル数本のワゴンセールだけでしょ。
あとベストが出た時。程度の低い小売りはそれすらやらないけど。
よく見かける75%以下の安売りってのは、仕入れ段階からかなり安く仕入れているからできる価格設定。
もちろんその値段で売って利益が出てるはず。

Amazonなんかが最初からかなり安く売れるのだって、実績を作るためじゃなくて、単純に仕入れ価格自体が優遇されてるんじゃないの?
実績作って多く配分してもらってもAmazonにとってどれぐらい利益あるのかわかんないし、普通に売ることでの利益確保した方がよっぽど確実でしょ。
もちろん他店よりも安い価格設定をすることで集客するっていうのはあるんだろうけどね。
それにしたってどこまで効果あるか疑問だし、やっぱり仕入れ価格が安いと考えるのが順当でしょ。

ただ、Amazonの場合はもしかしたら最初にある程度の数量を一括確保してるのかもね。
日々微妙に価格変動するのを見ても、なんか在庫量から機械的に価格が決定されてるっぽいしね。
なので多めに確保してるであろう任天堂やスクエニのタイトルが安めになってるように見えるんじゃないのかな。

投稿者 : 匿名

ゲームを安く売る理由はもっとあるよね。基本的に店舗には在庫金額に応じて税金がかかってしまうから、在庫金額全体を軽くするために期末前までにやむを得ず安く売ってしまったり。

あと中古でカバーすればいい、という考えもあるね。
TVゲームを扱っている店舗で中古を扱っていないところは今やほとんど無い。中古の利益率は非常に高い(2000円で買い取って3480円で売ると粗利益は約42%)ので、中古で利益を稼げてるところは新品を多少安く売っても店舗全体では利益がちゃんと取れるんだよね。

さらに忘れちゃいけないのが周辺機器の問題。
どこの店舗さんでも周辺機器はあまり値引きされてないよね。
実は周辺機器はソフトとほとんど仕入れ原価率は同じだったり、ホリとかのサードメーカー社製のは純正品より仕入れ原価が安かったりするので、それをあまり値引きしないで売って利益を確保してる店舗さんは多いよ。

投稿者 : 匿名

>投稿者 Anonymous : 2010年2月10日 11:02
・今は確実に売れる量しか仕入れないし、
  博打的に取らないとならないタイトルなんかほとんど無い

では何故、どの店舗でも叩き売られる哀れなソフト群が出るの?
しかも大体同じようなソフトが安売り傾向にある。
これって各店舗毎に売れる量を超えて仕入れている証明でしょー。
在庫を抱えない為に、安くしてでも売りつくそうと必死なんだよ。

そもそもバクチ的にとらないとならないタイトルというのは、売れるかどうかわからない作品だろ。
マリオ? ポケモン? 長く置いといても売れるというなら、多少多めに取っても心配ないだろ。
そこにはバクチも糞も無いわ。最初から多く取るしか選択肢が無い。

・小売りが赤字で売るってケースは
  それこそ期末の1タイトル数本のワゴンセールだけ

常に何がしかのソフトが1,980円以下で叩き売られているご時世に、一体何をおっしゃるウサギさん。
2,980円以下ならさらに倍、だ。
まさかそれら全部が黒字販売だとでも言うつもりかい?

まあ、どこからか赤字なのかは、実際はその店を解析でもしないとわからんがな。
(色々な要素を考慮しなければならない為)

投稿者 : 匿名

箱360なんかを入荷しちゃった犬ショップにはM$が損失補填しなきゃな。
ただでさえ巨大かつ売れない旧箱で大損こかせてんだし。

投稿者 : かれーぱん

大型量販だったけど仕入はもう少し低かった(約60%)
最も本部が仕入・割り振りを全部決めていたため
こちら側には何の決定権もありませんでしたが

ただ超品薄状態だと客寄せのために現金問屋から
102%で仕入れたのを8割程度の値段で売ったりとかしてました
これらは本体が主ですけど

あとワゴンに関してですが俗に言うバッタ品が多く
これらの仕入価格は10円とか100円とかでしたから
2本で1980円でも余裕で利益がでました
中古が扱えないからこういうところで稼がざるを得ないのですが

投稿者 : 匿名

友人が、バイト先であるコンビニの店長に「ドラクエ9を50本入荷したのに10本しか売れなかったから買ってくれ」と頼まれたという話を思い出した。

投稿者 : 匿名

今日びコンビニでゲームを買う客なんて絶滅危惧種でだろう。今までコンビニはサービス・取り扱い商品の拡大・拡充路線を突き進んできたが、そろそろ限界にきてる。とはいえ、縮小させるとコンビニのアイデンティティに関わるだろうけどな。

投稿者 : 匿名