DQ11の初週販売本数210万本はどう捉えるべきなのか、DQ9からブランド価値は大幅に減少

ドラゴンクエスト11の初週の販売本数が発表されたようだね。

3DS版が115万本、PS4版が95万本でした。メディアクリエイト調べです。

どちらの機種が多く売れるか、ということにも注目が集まりましたが、3DS版の方が、より注目されたようです。

そういえば、前作にあたるDQ9の売れ行きはどうだったのでしょうか？

DQ9は232万本でした。

22万本の減少となります。

これはどう考えればいいのでしょうか？

減少することはわかっていたことだから、それはしようがない。

3DSとPS4との2機種で発売したこともあり、重複買いなども考えると、いきわたっている人数はより少なくなるが、一方、PS4版はダウンロード販売分も加算されるし、初週という点ではそこまで悪いともいえず。

DQ10がオンラインゲームで、そこで多くの人がプレイをせずにいたことを考えると、まだ初週という点だけ考えれば、十分売れているほうだよ。

ただ・・・。

ただ？

果たして、このまま売れていくか、という問題がある。

まず、DQ9の時は発売週の翌週には300万本出荷のプレスリリースを出していたが、今回はそうした発表はない。

このため、販売が持続していないということなのだろう。

次に、DQ9がその後も売れ続けた理由としてすれ違い通信によるコミュニケーション要素があったために、人から人に情報が伝わり、盛り上がったという経緯があったけど、今作にはそれがあるのかどうか。

3DS版にはすれちがい通信要素があるようですが、それではダメなのでしょうか？

いかんせん、規模が異なるから。

DQ9の時は全員がすれ違い通信を楽しめたわけだけど、今回はPS4版とバージョンが異なっているため、半数の人しか楽しめない。

そして、すれ違い通信自体が楽しめるものになっているのかも未知数だ。

人数が限られ、なおかつ、その要素自体が面白いのかどうかもわからない以上、盛り上がりに欠けるのは致し方ない。

盛り上がるきっかけは何かないのでしょうか？

本来であれば、昨今だとゲーム実況となるわけだけど、いかんせん、ストーリーものなだけに、一度見たものを改めて自分でやりたいと思うのかは微妙で。

ゲームの中に面白い要素などがあれば話は別だけど、そうしたものも特にない。

そう考えると、例えばニンテンドー3DS版で楽しんだ人がPS4版をやってみたいと思うかというと、そうにもならず、一方、PS4でプレイした人がニンテンドー3DS版ですれ違い通信を楽しむために新たに買うかといわれると、これまた微妙。

なにより、そうやって一人に複数本を買わせたところで、売り上げは上がるけど、ユーザーが増えるというわけでもないんだよね。

一番重要なのは、どれだけ多くの人が遊んだかであって、決して売り上げのみを見るわけにもいかない。

そういう考えに固執すると、ブランドの価値向上が図れないわけだ。

プレイしない人がいれば、それだけブランド価値は薄まるわけだから。

大衆向け娯楽は誰もが体験して、初めてブランド価値が向上する。

それを一度自ら切り裂いたのがオンラインゲーム化したDQ10で、ここで一定数がDQから離れてしまった。

果たして、今回でどれだけ呼び戻せるのか、注目だ。

何か策はないのでしょうか？

単に売り上げだけ考えるのであれば、ニンテンドースイッチ版も出ることから、さらに上乗せができるのは誰もがわかる通り。

だけど、そこまでで終わりそうだ。

ニンテンドースイッチ版が仮に音声付であったり、PS4と3DSのすべての要素が入っていたりしても、改めて買おうとする人がどれくらいいるのか。

今回でも1機種100万本程度で収まったことから、売れる数はかなり限定されるだろうし。

DQ9が想像以上に売れたというのもあるけど、DQ11が伸びる要素って限られてくるのではなかろうか。

まあ、それでも、昨今の従来型ゲーム市場として考えると、初週で合計でも200万本超えていることはすごいことだし、300万本超えるのであれば、それで十分な気がする。

それくらい、DQ9は盛り上がっていた、ということだ。