ドラゴンクエスト10 ファーストシーズン最終レビュー 前編

さて、まもなくドラゴンクエスト10のファーストディスクが終わり、セカンドディスクが発売されるが、ここで改めてファーストシーズンをプレイし続けた最終レビューを行おうと思う。

発売して2週間後の8月14日『ドラゴンクエスト10のネタばれ無しレビュー』で一度レビューを行いましたね。

今回は1年以上プレイしつづけ、結局どうだったのか、ということを総括したい。

どうですか、最終的な評価は?

ゲームとして秀逸だった、というのは疑いようも無い事実だろう。

特にMMORPGの中ではトップクラスと言っても問題ない。

今までのオンラインゲームで取り入れてこなかったようなものを採用し、それがうまく機能している。この新しい要素を入れて実際にプラスに働いているところを特に評価したい。

具体的な機能とはどういったものでしょうか?

オンラインゲームはどうしても長時間プレイし続けてしまう傾向になる人が多い。

そうしたことにならないような仕組みとして採用した酒場システムと元気玉システム。酒場システムはプレイしていない時でも経験値が入る可能性のある仕組みであり、元気玉システムはプレイしていない時間に応じて経験値などが倍得られるアイテムをもらえる仕組み。

この2つに関してはMMORPGの問題点を解決する一つの手段として優れている。あえてプレイさせないというね。この搭載だけでも、ドラゴンクエスト10が出た意義は大きい。

そうしたシステムの良さもわかりますが、ゲーム部分はどうでしょうか。

まず、表記が日本語である点。日本発のゲームであっても、アルファベットで名前を表示するMMORPGが多い中、ひらがなとカタカナで表示される名前というだけでも日本人として温かみが持てる。

また、キャラクターのモーションも魅力的で、キャラクターの魅力を増すのに重要な役割を果たしている。無味乾燥になりがちなキャラクターが多い中、種族によって大きく動きが変わるなど、愛着を持たせている。

通常時の戦闘が退屈だ、という意見もあるが、捉え方は人それぞれになるだろう。このあたりはプレイヤーの求めるものによって異なる。

例えばアクションRPGのようなものを望むのであれば暇な戦闘になるし、ながらプレイで地味に経験値を稼ぎたいというのであれば、サポート仲間で勝手に戦闘させたりボタン連打で終わらせたりと選択肢が広がるので有り難かったりする。

ただ、ゲームに向き合ってその時間をがっつり楽しみたい、という人からすると、確かに退屈に感じてしまうのも理解できる。

他のことに関してはすでに以前述べているので、そちらを参考にしていただけたらと思う。

概ね良かった、ということですね。

ですが、良くないところもありますよね。それはどういったところでしょうか?

いや、特にないでしょ。

またまた・・・。

良くない、という判断をするのは人によってそれぞれだと思う。

やはり以前にMMORPGをやったことの無い人からすると、基準がオフラインゲームのRPGになるため、違いから拒否反応を示すのも当然だ。

オフラインゲームと異なる文法によって成り立つ世界のため、戸惑いが出るのも当然。

ゲームそのものだけでなく、どうしても他のプレイヤーの存在があるため、その存在によって良くもなり、悪くもなってしまう。

そうしたことからオフラインゲームの方が良いという意見が出るのも納得はできる。

ただ、単体のゲームとして見た場合、やはり優れているところが多いのも事実。

序盤では問題の有ったものもあるものの、それらはバージョンアップによって改善もなされている。

バージョンアップはいろいろとありましたが、どういった改善が特に良いと思いましたか?

一つは同一パーティーでクエストアイテムを全員同時に得られるようにしたこと。

他のMMORPGではより長くプレイヤーにゲームをプレイさせるために、また、強制的な絆を強めようとするために、得られるアイテムは同時で全員に手に入るなんてことはなく、パーティー内の誰かが入手しても他のプレイヤーが入手できていない、ということは当たり前にある。

ドラゴンクエスト10の初期もそうであったが、こうした問題を後日改善している。

最初のレベル上限解放クエストでも上記の件もあり、問題化したが、即座に修正した。

他にも海水浴イベントでもチェックポイントの出現時間の調整も即座に行うなど、問題への対応も早かった。

改善そのものもそうだし、改善へのスピードも評価できる。

ですが、ツメスキルのタイガークローの問題はどうなんですか。

タイガークローは仕方ない部分もある。

たぶん流れとしては次のような感じの推移になっていたのだろう。

当初は1.5倍を2連撃とすべきところを、これでは威力が低いからと1.5倍を3連撃にと調整した。モーションは2連撃のモーションなのに攻撃が3回になっているのはその名残と言える。要所のコメントでも2連撃を窺わせるものが残っているなどもあったようだし。

しかし、ゲームが進み、ステータスの底上げがされてくると1.5倍の3連撃はバランスを崩す要素となった。なので、最終的には1.3倍の3連撃へ修正と。

もしかしたら、当初の予定通り1.5倍の2連撃にしたら、今でもちょうどよかったのかな、と思ったりもするが。

で、下方修正となり、これに関してはユーザーも反発したわけだ。

だが、下方修正をせずに現状のままであり続けることは、最終的にゲームとしてのバランスの破綻にもつながる。なので、直すべきところは直すべきであるし、その結果、タイガークローの下方修正になったのであれば、それはそれで致し方ない。

何でもかんでも先を見通せる人間なんて存在しないわけだし。

なので、特定の下方修正だけを見てドラゴンクエスト10自体は駄目だというような論調をするのもいかがかと思う。

概ね良いという意見ですが、何も問題は無いのでしょうか?

現時点で、というよりかは、将来的な話で1点。

今のところ、ファーストシーズンでバージョン1.4で追加されたストーリークエストがセカンドシーズンのバージョン2.3以降、プレイできなくなる可能性があると伝えられている。これは公式でもそうしたニュアンスの話が発表されている。

最終的なドラゴンクエスト10のファーストシーズンの判断は、この結果によって決めるべきかな、というのが現時点での考えだ。

どうしてセカンドシーズンの話を今考えるべきなのでしょうか?

基本的にファーストシーズンとセカンドシーズンは同じ人間によってメインストーリーが決められているはずなので、当然、このストーリークエストに関しても関わっているのだろう。その着地点がどういうことになるのかは注目しておく必要がある。

人を集めてパーティーでプレイしている人であればクリアできる要素ではあるのだが、ソロプレイヤーだと当面はクリアが出来ないバランスになっている。このソロプレイヤーに対してどういう対応を考えているのかが、このストーリークエストの結果によって判断が出来る。

もし、ソロプレイヤーを蔑ろにするような形で終着するのであれば、当初述べられていたソロプレイヤーでも楽しめるという話が嘘ということになる。

それが本当に良いのかどうか、というのがここでわかるわけだ。

そもそも、なぜ期間限定になっているのでしょうか?

考えられることとして2つある。

一つは期間限定化させて必ずその間にプレイさせようという考え。要は期間中に課金して遊んでくださいね、という考えだ。もしかしたらバージョン2.4から別ストーリーを始めるために無くすというのもあるだろう。

もう一つは、ゲーム中の変化を起こさせるために、そうせざるを得ない、というもの。具体的にはバージョン1.4で変化のあったところを元に戻すため、このあたりを考慮した上での期間限定化。

期間限定にする理由はいろいろと考えられるわけですね。

前者であれば、その段階でソロプレイヤーでもクリアできるための施策が必要だろう。

後者であれば、何かしらの対策はいくらでもできる。

少なくともストーリー部分に関してはソロプレイヤーでも楽しむことが出来ることを望むし、多くのソロプレイヤーはそれが出来ると初期のソロプレイヤーでも楽しめるという発言から読み取ったはず。

これらはストーリークエストを追加した際に、すぐにソロプレイヤーでもクリアできるようにすべき、と言っているわけではない。将来的にキャラクターが強くなっていけばクリアできるようになるだろう、という可能性を常に残すべき、という意味合いだ。

レベルの上限が上がり、装備品も整え、強くなってもそのストーリークエスト自体が無くなっていたらどうにもならない。

ストーリークエスト自体が無くなってしまえば可能性がゼロになるということ。少なくともストーリー部分に関してはそれをやってもらいたくないものだ。

と、このように思うわけだ。

すでにファーストシーズンのディレクターがこのあたりの考えを出しているはずなので、それがバージョン2.3以降どうなるかを見て、最終的にファーストシーズンはどうであったかを判断したい。

まだまだ先のことですが、どうなるか気になりますね。

最後に少し述べて終えよう。

オンラインゲームでもあるため、どうしても対人面での問題が出てくる。自分に都合の良い状況であれば良いゲームになりうるし、そうでなければそれだけで悪いゲームにもなってしまう。

今回のレビューはソロプレイヤーとしてゲームを見た場合であって、これに対人要素によって評価が大きく変わる可能性があることも伝えておく。

ただ一つ言えることは、ドラゴンクエストシリーズとしては一つの進化であるということ。プレイステーション2で発売された「ドラゴンクエスト8 空と海と大地と呪われし姫君」の流れを汲むものとして見た場合、順当な進化形の一つである。

オンラインゲームはなんか嫌だ、という抵抗感がある人もいるのはわかるが、人との接点なくプレイしていく仕組みも用意されている。

また、要所要所でキャンペーン等も行われ、経験値が稼ぎやすくなったりもしているので、まだプレイしていない人や途中で諦めた人も含め、ドラゴンクエストシリーズファンであれば一度は触ってもらいたい一作だ。

と、いうことで、ドラゴンクエスト10のゲームレビューの前編を終える。

後編があるんですね・・・。

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『ドラゴンクエスト10 ファーストシーズン最終レビュー 前編』へのコメント

(´・ω・`)良くないところ
Wii基準でつくったせいでグラフィックが悪い
キャラや一部モンスターのモデリングがショボいんだよね
ゲームとしてはMMOなのにすんごくドラクエしてて面白いのにそこだけホントもったいない

投稿者 : 匿名

神話編について触れられていますが、
あれはストーリークエストではありますが、
しかしメインストーリーとは位置づけは違うのではないでしょうか?

ほかのMMOでもあるハイエンドコンテンツなのかなと感じています。
つまりは誰でもクリアできるものではない難易度のコンテンツ。
特にソロプレイヤーだからクリア出来ないってだけではなく、
普段からパーティプレイしている人でもクリア出来ない人は
出来ないのではないかと。

そして『ひとりで遊べる』って点については、
先日の『ドラゴンクエストX TV』で
開発とプレイヤーの認識の差について触れられていますね。
『ひとりで遊べる』というのは『ひとりでなんでもできる』
事を意味しないと。

それでもなぜあちこちでソロプレイを蔑にしているって
発言を見かけるのかなって思っていたのですが・・・。

発売前にDQXについて『ひとりでも100%楽しめる』って表現がなされていたのですね。

さてさて確かに神話編について2ndディスク以降、
難易度軽減とかがなされるのか?
(これもほかのMMOでもありますよね古いコンテンツの低難度下)
正直ちょっとやそっとのレベルキャップ解放や
新職のパッシブスキル程度では
ソロ撃破は難しいように思われますものね。
(まぁプレイヤー1サポ3の2ptでの旧災厄撃破実績はあるようですが・・・)

投稿者 : 通りすがり

自分もDQXはある意味画期的な一人でも遊べるMMO RPGだと思います。ただ神話編においては、その方向性がぶれてしまったような気がしました。ハイエンドコンテンツの位置づけかなのであの難易度もと思っていましたが、もうひとつのメインストーリーと公式に言ってしまいました。あの難易度ではパーティ組んで頑張れば、みんなクリアできる、というところまですら到達できていないように思います。せめてあの難しさを維持するなら、ボスに到達するまで1~2時間かかるところを改善し、何度でも挑戦する意欲を持たせてほしいと思いました。あとパーティ同盟もチャットがそういう用途向きになっていないので、非常に組むのが手間なのも気になっています。

投稿者 : 匿名

あなたが言ってるのはただの我侭であってそれ以上でもそれ以下でもないと個人的に思うんですが
ちょっとまとまった時間を作って協力プレイすれば
既にに情報の出尽くした現時点では難易度も高くないんだし
ちょっとくらいネットゲームで他人と遊ぶこともしてみたらどうでしょう?
どうして人と遊ぶことを頑なに拒むのでしょう?

投稿者 : 匿名

概ね様々な面で素晴らしいゲームだったと思うけど、
RPGとして肝心の戦闘システムが面白くなった。
また、1つのジョブを極めるんじゃなくて最低でも40ちょいは上げて固有スキルを取らないとならない戦闘バランスもどうかと思った。発売日からやってた人で辞めた人は概ねその辺が原因だと思う。
相撲システムもWiiUだとバグでワープしたりとそもそも成立してない場面もある。
鯖移動やチャットシステム、その他DROP関連や色々素晴らしい面が多かったが、戦闘やそのバランスに関してはMMOの中で最低ランクのゲームだと思うけどね。

投稿者 : 匿名

あなたは嫌いなものを語るのを止めて、好きなものだけを語っていれば皆幸せですよ

投稿者 : 匿名

戦闘にならないってのは強ボス連戦とかする場合でしょ?
1回倒すだけなら別にパッシブそんなにいらないと思う
ワープはちゃんと相撲出来ていないから起こる現象だしね

投稿者 : のま

>戦闘やそのバランスに関してはMMOの中で最低ランクのゲームだと思うけどね。

ウルティマオンラインからPC、コンシュマー問わずにいろいろなMMOをやってきたけど、ドラクエ10はかなりよくできたゲームだと思うよ

初心者もある程度MMOを経験してきた人も楽しめるようにコンテンツがちりばめられているというのが私の根拠なのだけど、ネット等で意見を見ると、ほかのネトゲをやっている人は初心者向けコンテンツを見てゆるいといい、初心者は上級者用コンテンツを見てできないという

初心者用を見てぬるいというのは解かるけど、上級者向けは初心者でもがんばれば何とかなる(たとえば僧侶を二人にして全滅しないようにする)難易度に設定されていて本当にユーザーフレンドリーになっていると思うのだけど?

このゲームを見て最低のバランスというのはさすがにどうかと

投稿者 : 匿名

>>投稿者 : 2013年11月29日 20:28
三ヶ月ほど前に辞めてるから、今の戦闘バランスはわからないけど、少なくとも俺がやってたときは、メイン以外は、ある程度固有を取ってないと厳しい戦闘バランスだった。
パラディンを経験してないから、そっちは面白いのかわからないけど、基本魔法使いが同じ魔法を連打しながら防御技をやるか、タイガーだったんだよな。僧侶2にすると薬漬けにならないとならないバランス。そもそもDQってHP500くらいに対して300食らうゲームじゃ無かったと思うんだけどね。痛恨の一撃を除いて。
僧侶は先読みが必須。やってるゲームの違いなんだろうけど、基本アイテムを使いまくって戦うゲームってのはバランスが悪いって思うけど、どうなんだろうね。
経験したことがあるのは武闘家、盗賊、魔法戦士、魔法使い、僧侶。
後はレベル上げで経験したって程度。

投稿者 : 匿名

>また、1つのジョブを極めるんじゃなくて最低でも40ちょいは上げて固有スキルを取らないとならない戦闘バランスもどうかと思った。
>戦闘やそのバランスに関してはMMOの中で最低ランクのゲームだと思うけどね。


好きな職業だけ育てたい、って意見はわかるけど、戦闘バランス(難易度)という意味では他のネトゲと比較するとかなり緩いですよ?
大抵のネトゲは、1つのジョブのレベル上げの苦労がフルパッシブ取るよりも遥かに重いから・・・

投稿者 : 匿名

社会人になって、オンラインRPGに
昔ほど自在に時間を割けなくなった身としては、ドラクエが魅力的に思える記事かも。嗚呼、思いどうりになる時間がほしい。

投稿者 : もけ

>2013年11月28日 22:02のひと
その理屈で言うと、初代ドラクエはファミコンみたいなしょぼい機械だったから駄目って事に。

ゲームをどのプラットフォームで出すかは、ゲームの出来とは別のロジックで決まるから、
そのプラットフォームがしょぼい云々を、ゲームの出来の話題で持ち出しても意味なかろう。

2013年11月29日 00:04のひと
>『ひとりで遊べる』というのは『ひとりでなんでもできる』
> 事を意味しないと。
と言ってもこのゲームはMMOである以前にドラクエなんだし、その名前を付けてる以上、
「他のプレイヤーが協力してくれない限りクリアできない」は避けてほしい気はする。
看板に偽りありになるかと。

投稿者 : さきち

>投稿者 : 2013年12月 2日 14:20
避けてほしいと思うのは自由だけど、ドラクエ10はそうはならない。
全部1人でやりたいならオフゲーおすすめ。オンで月額課金払ってやる意味がない。
ストーリー本編は今なら完全ソロでも20時間程度で終わらせられるけどね。

投稿者 : 匿名

廃人仕様のMMOに立ち向かったスタッフが、見事成果を上げているのは分かるけど、
ネトゲなのに、ソロプレイでの評価なんて、無意味無いというか、誰も興味無いと思うんだけど・・

投稿者 : 匿名