次世代ゲーム機出揃いから見た今後のゲーム業界Part2「Xbox OneとPS4」

次世代ゲーム機出揃いから見た今後のゲーム業界Part1「昨今のゲーム業界とゲーム市場の拡大とは」』からの続きです。

前回は、どういった状態がゲーム業界にとって良いのか、という話をした。ゲーム市場が拡大することで、既存のゲーム業界が良くなるのだが、その拡大は人数の拡大なのか、それとも金額の拡大なのか、それとも別にもあるのか。

そうしたことも踏まえたうえで、まずは未発売のXbox OneとPS4について取り上げてみようと思う。

現在発表されている価格は北米の米ドルを中心としているが、日本人にもわかりやすいように、1米ドルを100円として、Xbox Oneが5万円、PS4が4万円として語る。

E3 2013で発売時期や価格が発表されて、盛り上がってきましたね。

ゲーム機として見た場合は、発売されるゲームがハード機メーカーの自社開発ソフト以外のほとんどがマルチプラットフォーム展開をしていくため、ソフトの違いは出にくいのだろう。

では、何によって差別化が図られ、そして売れ行きに変化していくのか。

やはり本体の価格でしょうか?

価格差、というのは確かに大きな要素で、特に1万円も違えばその影響は計り知れないものがある。

PS3が初期に売れなかった理由として、ソフト不足ももちろんあったが、それ以上に価格が高かった、という問題も抱えていた。

そのため、価格というのは次世代ゲーム機の普及を考えたときに大きな影響を及ぼす。

でしたら、次世代ゲーム機の主役はPS4になりますね。

ただ・・・。

ただ?

それって、単なるゲームユーザーの考えでしかないんだよね。

と、言いますと?

Xbox Oneについているキネクト(Kinect)を用いたゲーム、そしてキネクト(Kinect)を利用した操作。こうしたものに注目が集まれば、高くても売れる可能性がある。

その売れる先はゲームユーザーではなく、対比的に用いられる一般ユーザーに。

Wiiがゲームユーザー以外にあれだけ売れ、また、Xbox360でもキネクト(Kinect)が売れていることを考えますと、一般ユーザーの動向にも注目が集まりますね。

当然、そこに向けてマイクロソフトもソフトを発売するわけだから、これだけでPS4との差別化が可能だ。

そもそもソフトメーカーの多くのソフトはXbox OneとPS4の2機種で発売されるのだから、勝負は別の要素で付く。価格ももちろんあるだろうし、自社開発のソフトもある。その中にキネクト(Kinect)のような機能も検討の一つとして上がるだろう。

あとは、その点が1万円を追加で払っても良いと思わせるだけの物かどうかですね。

このあたりは難しい問題だ。

それこそ、Xbox OneはPS3の失敗をなぞる可能性すら秘めているから。

PS3の失敗をですか?

PS3の失敗は何かというと、ゲーム以外の部分を広めようとし、高性能な製品を作り、結果として価格が高くなって売れないという状況に陥った。

これは明らかにメーカーのエゴによるものなのだが、このエゴがキネクト(Kinect)に見て取れる。

マイクロソフトがキネクト(Kinect)を素晴らしいものと考えて普及させようとすることが、逆にメーカーのエゴを推し進めるようになるわけですね。

でしたら、なおのことPS4は安泰ですね。

現状の価格だけ見た場合はね。

ただ、マイクロソフトもそうなったときにのんびり見ているわけでもなかろう。

その時、伝家の宝刀を抜くかもしれない。

マイクロソフトの伝家の宝刀とは?

キネクト(Kinect)無しバージョンの発売。これで1万5千円くらいは価格を落として販売できる。

どこまでXbox Oneとキネクト(Kinect)を絡めているのかわからないが、すべての操作をキネクト(Kinect)でするわけではないだろうから、いつでもこの選択肢を取ることが出来る。

そしてそうなったら、あっさりとPS4の価格優位性が薄れる。

もし、呼応してPS4が値下げなどで対抗しようとすれば、ソニーがPS3で苦しんだ道を再び歩むことになる。

値下げ合戦をしようものなら、企業体力があるマイクロソフトの方が有利になるから。

後は、いつマイクロソフトがこうした行動に出るのか。そのタイミングを見ていきたい。

ここまでの話は世界市場での話かと思いますが、日本市場ではどうでしょうか?

さすがに日本でXbox Oneが売れるとは思えない。

やはり、そうですか・・・。

ただ、先に述べたように、ソフトメーカーのタイトルに関してはXbox OneもPS4もどちらでも出るのだろう。日本独自のアニメ系タイトルは別として。そのため、マイクロソフトが日本市場でどのように立ち振る舞うかによって、また状況が変わる。

さすがにXbox360の時のように条件に物を言わせて独占タイトルを多々獲得することはないだろうし、また、今の日本のソフトメーカーにそうしたものを望んでも、出てくるタイトルは低品質になるだろう。そのため、そういった戦略ではなく、また別の戦略で動いてくるのでは。

その戦略とは?

先に述べたように、キネクト(Kinect)無しバージョンを日本では最初から発売とか。

いずれにしろ、価格面に関しては方法論がいくらでもあるということだ。

また、現状の4万であったり5万という価格はそもそも普及するための価格ですらない。どちらが先に3万円を切る価格をつけられるのか。これが一番重要となる。先につけたほうが一気に販売台数を伸ばしていけるので、このタイミングがいつになるのかも注目したい。

Xbox OneやPS4が発売してすぐの状況を見ただけではどちらが市場を握るのかは不明だ。2年から3年、しっかりと状況を見極める必要がある。

逆に、2年後や3年後には良い結果が出るわけですね。

何をもって良いのかは、これまた難しいけどね。価格を強引に落としていけば会社として傾くことになる。

今の若い人は知らないかもしれないが、昔はセガという会社がゲーム機を作っていて、魅力的なゲームを大量に発売する会社であったが、ハードの大安売りをして赤字が続き、ハードメーカーから脱落。ハードメーカーから脱落するだけなら良いのだが、その後はソフト作りの面でも見る影もない状況になっている。

ソニーもPS3で赤字が続き、本来ならばお金をかけなければいけないところにお金を使わず、結果として個人情報大量流出という事態を引き起こした。

単に価格が安くなれば良いというのは一ユーザーとして当然の考えだが、強引な値下げではゲーム業界全体にとって良い未来とならない。

安い、売れる、よかった、という安直な考えをせず、本当に適切な市場創造となるのかも見ていく必要がある。

結局、どちらが売れるという話はしないのですね。

両方とも変わり映えしないから、最後は価格勝負に行きつくのでは。

なので、この価格戦略をどうするのかがわからない限りは、答えなんて出ないよ。

と、いうことで、Xbox OneとPS4についての話を終える。

次回はすでに発売されているWiiUについて取り上げる。

直近、直後の話題

1つ過去の話題:発信力の乏しいDQ10、対策は?
1つ新しい話題:次世代ゲーム機出揃いから見た今後のゲーム業界Part3「WiiU」

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『次世代ゲーム機出揃いから見た今後のゲーム業界Part2「Xbox OneとPS4」』へのコメント

399ドルを達成したPS4は、E3前のイベントであれだけ推していたカメラも同梱しませんしね。
399ドルを実現するために外したのか、それとも最初からオプション扱いだったのか。それによって対応ソフト数も変わってくるでしょうが、カメラを外したことで値段面での差別化が出来ましたね。

投稿者 : おだ

「売れない原因として値段がソフトの出揃い以上に大きい」なんて見当違いにも程がある

プレイしたいソフトがどれだけあるかが全てだろうが

投稿者 : 匿名

>>どこまでXbox Oneとキネクト(Kinect)を絡めているのかわからないが、すべての操作をキネクト(Kinect)でするわけではないだろうから、いつでもこの選択肢を取ることが出来る。

残念ながら、xbox oneはキネクトを接続しないと機能しないと公表されてます
キネクト無しバージョンを発売するなら設計段階から作り直す必要がある訳で...

投稿者 : 匿名

仮にキネクトで成功したとしてもWiiの二の舞ですよ
確かにキネクト自体はWiiより遥かに優れたデバイスだけど
それでカジュアル層に売れても単にブームになったから一時的に売れたというだけで
恒常的であり本当の意味でのゲーム人口の拡大はできないし数年で終わるだけのものです

しかもwiiみたいにハードの面でカジュアル層を引き付けるって事は
CoD・BF・アサクリ・FIFA・GTA等の数千万単位で売れるAAA級のタイトルが売れなくなるデメリットもある

どうしてもカジュアル層とコア層の両立を目指すなら
FCやSFCやPS1みたいにあくまでべーシックなハードでカジュアルなソフトや付属物で売る方向でなければ無理でしょ

投稿者 : 匿名

売り上げ台数ならPS4の勝ちは確定でしょう。
MSの体力が大きいからといって、営利企業なんだから無尽蔵に
資金を投入できるわけではない。
もしそれが可能なら、スタート499ドルという価格ではなかった
はず。
MSにもいろいろな部門があり、ゲーム部門だけ金を湯水のごとく
使えることはないだろう

投稿者 : 匿名

ちょっと待った
WiiUの話題に行く前に今回MSが舵を切って
今、波紋を呼んでいる認証制度、中古制度は掘り下げないのか?
過去記事を見る限りE3のPS4発表でサラッと触れただけだった

投稿者 : 匿名

キネクトがシステムに組み込まれてるから、
キネクト無しは不可能だろ。

投稿者 : 匿名

ちょっと待って。
おおむね正しい。けど数点おかしいところがある。
PS3はそもそもが10年かけて普及させていくと発言しており、今徐々に売れてきているはずです。

SEGAは大安売りをして赤字が続いたのは確かだけど、ドリームキャストに関しては生産の見通しが甘かったのが原因ではなかったですか?ちょろっと聞いただけの話ですが。

あと、『昔と比べて、セガのソフトは見る影もない』と思ってるのはあなたのような購入していない人だけです。今のSEGAのゲームも面白いですよ。やってないからわからないでしょうけど。
私は株で稼いでいるわけでも勉強したわけでもないから詳しいことは知らないけど、数字で判断しすぎるのはどうかと思います。

投稿者 : 匿名

>キネクト(Kinect)無しバージョンの発売。これで1万5千円くらいは価格を落として販売できる。

キネクト無しバージョンの発売はないでしょう。
それをやったら性能で劣っているXbox Oneはただの劣化PS4になってしまいますよ。

普及価格が3万円というのは理解できますが、
両者のハードは方向性が違うので単純な価格勝負にはならないと思います。

PS3でハーフミリオン級のソフトを出すセガを貶めたり、
個人情報大量流出という事実ではないことを言ったりして、
せっかくの評論が一気に胡散臭くなってしまうのは残念です。

投稿者 : 匿名

日本のユーザーは、欲しいものであれば多少高くても我慢して購入するが、北米ユーザーは価格にかなり敏感。

北米ではコンシューマーのゲームソフトは基本的に据置機は$59.99、携帯機は$39.99に固定されているが、あるソフトの価格を$10高く設定しただけで猛抗議が起こってメーカーは急遽、定価を下げるはめになったくらい。

北米ユーザーにとってXbox oneの$500というのは相当ハードルが高い。

投稿者 : 匿名

Uのパッドを別売りにするって言うのと同等にありえない。
ある事を前提にデザインされ、専用のOSが走ってる。

投稿者 : 匿名

据え置きをやりたいという欲求に狩られない

投稿者 : 匿名

今のセガが見る影もないってのもなぁ
メガドラとか持ってたけど、その頃より今のセガのが好きよ自分は
まあ戦ヴァル自ら潰したりとかアフォなこともしてるけど

投稿者 : 匿名

重要なことに触れてないね。
それは、PS3は360の1年後に発売されたということ。
そして発売から今まで360の方が安値だったということ。
それでもUS、UK以外ではPS3の方が売れ、トータルでほぼ同数になったということ。
これだけ不利な中で、なぜPS3は追いつけたのかということが一番重要。MSのハードは安かろう悪かろうだったのか?

コンシューマ部門(パチンコやゲームセンター等含まない)だけで800億の売上があるセガが見る影もないなんてのも事実誤認もいいとこだね。これはカプコンのコンシューマ部門よりずっと多い。

投稿者 : 指摘

キネクトだけじゃ訴求力ちょっと弱いんじゃないかな。
キネクト無しにして値段を下げるという手があるなら、逆にSCEがPS4に新しいモーションセンサーを付けて付加価値を上げるという戦い方もできる
あとはオンラインのビデオオンデマンドとかSNSとかの連携とかだけど、こちらも両機の性能があればソフトちゃんと作れさえすれば問題ない。(これはソフト屋のMSに分があるかも)

まあ今のところはやっぱり消費者に好印象を与えたPS4のほうが有利なんじゃない? としか言えないね。

投稿者 : 匿名

XBoxOneとPS4の差が値段?

うーん、重要な問題があると思うのですが。
ネット認証の件。子供部屋まで無線LANが届かない家庭とか。
中古より、ネット認証しないと遊べない機体は、まだ早いのでは。

投稿者 : 匿名

確かに金額の差は大き過ぎるでしょね。
ただマイクロソフトが、「Xbox oneの各種動作にKinectの接続は必須」と発表していることから、Kinect無しの発売は無いんじゃないかと思います。
仮にKinect無しのXbox oneを発売したとしても、それはPS4の価格に近づけるというだけで、差別化という面では、本末転倒ではないでしょうか?

投稿者 : XYZ

ソフトは同じのばっかり出そう。

でもキネクト用のゲームはPS4・PCで出せないから

どこも作ろうとしないかもん。

投稿者 : 匿名

WiiUのタブコン無しバージョンの方が欲しいかも

投稿者 : やす

結論から言うと、長期的に見た場合の世界的な販売台数は、PS4がXBOXに勝ると思います。
まず、両陣営を比較した場合、「代わり映えしない」という事はなく、ビジネスモデルが全く違います。PS陣営はデジタルだけでなく、フィジカルディスクでの販売もあり。一方MS陣営は、中古対策等の為、デジタルコンテンツ使用権の販売といった感じです。これで、中古対策がしっかり行われ、さらにパブリッシャーへの還元がしっかりと行われそうなら良かったのですが、明らかになってきた情報からだと、ほぼ機能しなさそうなんですね。中古も売れそうだし、譲渡もできそう。じゃあ、PS4と変わらないかといったらそうではなくて、色々と面倒くさい手続きとか段取りがいりそうなんですね。しかも、「ゲームを物理的に所有したい」と思うユーザーからの精神的な反発が強い。価格も据え置き。もちろん、メリットも色々とある。例えば、クラウドでのゲームの共有だったり、DLしたゲームの譲渡ができたりとか。でも、それがどれだけスムーズに実現できているか未知数だし、MSのアピールが下手なので、全然理解されていない。現時点ではユーザーにとって、デメリットが多い印象がある。また、世界的な販売戦略を考えた時に、この仕様はブレーキになる。インフラの整備が遅れている地域では、フィジカルディスクでの販売じゃなきゃ難しいでしょ。私も以前住んで居た場所のネット環境が悪かったので、PSPのFWがUMDでアップデートできるのには、助けられました。PS4にはアナログ端子もある。PSPgoでの失敗が、今回は生きている。

投稿者 : Hachi

ここまでコメントを読んだ感じ、みんな勝ち負けの話ばっかしててワロタ。
特にPS4押しの連中は本文読まずに投稿してるだろってぐらい同じ反応ですな。
まこなこの、将来的にどういう形で次世代のゲームが流行るのがいいのかって前置きとか文脈がまるで意味なかったなー。

投稿者 : 匿名

MSが、XBoxneの仕様変更に踏み切りましたね。
・24時間毎のオンライン認証を必須とせず、初回のみで可
ディスク版ゲームをプレーする場合は、2度とオンラインに接続しなくてもプレーできるように。

・さらに中古に関しても、加盟店でのみ許可するとされていた中古売買への制限が撤廃され、ディスク・ゲームはXbox 360と同様に何の制限もなく売買や貸与が可能に。リージョン・ロックも撤廃されると同時に、ダウンロード版ゲームもインターネット接続無しでプレーが可能となるようです。

あまりに強い反発に折れた形ですね。まこなこさんはこの発表の反発は業者が中心ではと印象を言っておられましたが、MSはユーザからの反発も強く、時期尚早と受け取ったようですね。

投稿者 : 匿名

> 残念ながら、xbox oneはキネクトを接続しないと機能しないと公表されてます
> キネクト無しバージョンを発売するなら設計段階から作り直す必要がある訳で...

MSは世論の動向から、あっさりと中古ポリシーを翻した
Kinectをはずすオプションだって用意しているさ
値段を下げるのはその気になればいつだって出来るんだから、タイミングを見計らっているだけ

投稿者 : 匿名