次世代ゲーム機出揃いから見た今後のゲーム業界Part1「昨今のゲーム業界とゲーム市場の拡大とは」

さて、次世代ゲーム機と呼ばれているXbox OneとPS4、そしてすでに発売済みのWiiUが出揃ったということで、さっそく今後のゲーム業界全体を見ていこう。

まず第1回目はゲーム業界全体を俯瞰してみたいと思う。

ゲーム業界全体と一口にいっても、住んでいる地域によって大きな違いがあるのが今のゲーム業界だ。

まずは世界的にどうなのかを見て、そして日本はどうなのかと2つに分けて見ていこうと思う。

また、ここで言うゲーム業界とは既存のゲーム業界のことを指す。スマートフォン向けなど、さまざまな端末に向けてもゲームが出ているが、あくまで既存のゲーム業界の話として捉えていただきたい。

ゲーム業界全体の最近の流れはどうなっているのでしょうか?

縮小傾向といっていいだろう。

いきなり絶望的な話ですね・・・。

直近の流れとしてはWiiやニンテンドーDSを起爆剤に爆発的にゲーム市場が拡大した。また、特に欧米ではXbox360とPS3によって、据え置きゲーム機というものが一般家庭に普及した。

その流れの中の終着点として今があるわけだがどんどんと発売するゲームが減り、停滞気味になっている。これは、次世代機が出るからの停滞という側面もあるものの、開発メーカーの減少であったり、スマートフォン向けへの展開によって既存の開発メーカーも他所の軸足を移していることからの停滞とも言える。

発売されるゲームもFPSやスポーツゲームなどに偏っている。特にFPSでは似たり寄ったりのゲームが大量に出ており、今現在でも飽きの減少が起きているように見受けられる。一部の有力タイトルは生き残っていくかもしれないし、そうしたタイトルに集約されるかもしれない。

しかしそれは、売れないタイトルを生み出し、その結果として開発メーカーが倒れて、最終的に出てくるソフトの減少にもつながる。先にも少し触れたが、今現在でもその兆候は見て取れる。

そうした中、日本ではどうなのでしょうか?

日本も海外と同様にWiiやニンテンドーDSが売れたのはご存知の通りだ。

だが、PS3やXbox360に関しては海外ほどの勢いを持てなかった。

日本では据え置きゲーム機は以前から普及しており、その流れとしてPS2からPS3へと流れていったわけだが、そもそもPS2時代から昔と比べてソフトが売れない状況になり、PS3では初期の戦略の誤りなどもあり、普及までに時間を要した。

普及までに時間がかかったことにより、多くのソフトメーカーがXbox360とPS3とでどちらにソフトを出すべきかという選択を迫られ、一時はPS3ではなくXbox360でソフトを出すという流れも生まれた。

結局、Xbox360ではソフトが思ったように売れず、また、期待していた海外での展開も目立った成果が無かったため、その後はXbox360ではなくPS3でソフトが出るようになった。しかし、そのPS3もミリオンタイトルが「ファイナルファンタジー13」のみと、市場の規模はPS2などの過去のゲーム機と比べて著しい低迷を強いられている。

そうなった要因は何なのでしょうか?

日本は海外とは比べ物にならないくらい携帯ゲーム機に対する関心が高い。なかなか自宅でゲームが出来ないという人も多いこともあり、どこでも持ち運べる携帯ゲーム機が盛んだ。また、「モンスターハンターポータブル」シリーズのように携帯ゲーム機の特性を生かしたゲームが誕生したことも、携帯ゲーム機が盛んになった理由の一つとしてあげられる。

携帯ゲーム機に市場があるため、ソフトメーカーは開発費がかかり、なおかつ売れないときの会社へのダメージの大きい据え置きゲーム機よりかは、携帯ゲーム機に注力することになった。

日本のソフトメーカーはPS2の発売初期に開発に費用がかかって大きな痛手を受けてリスクに対する意識が高くなっていたことが、海外のメーカーと大きく違うところ。

携帯ゲーム機に注力した結果、据え置き機でユーザーが望むだけの品質のゲームが出ず、ミリオンタイトルが1本という結果に終わっている。

このような現状がある中で、次世代機を見ていく必要があるわけですね。

次世代機を見ていくわけだが、そもそも、どういった状態がゲーム業界にとって良いのか、ゲーム市場にとって良いのかも考える必要がある。

ゲーム市場にとって良いとは?

ゲーム市場全体の拡大を考えたときに、ユーザー数の増加も一つの答えではあるが、それだけが正解というわけでもない。

ゲーム市場として考えるときには、たいてい経済規模が問題となる。どれくらいゲーム市場でお金が使われ、それによってゲーム業界というものがどういった位置にあるか、判断される。

このゲーム市場の規模を数字だけで見た際、一人のプレイヤーが大量にソフトを買うことでも、ゲーム市場を維持発展しているように見ることも出来る。

ゲーム人口の拡大をうたった任天堂はWiiやニンテンドーDSでプレイヤーの数を増やすことに成功した。これはこれで、一つの成功だろう。

一方、似たり寄ったりのFPSが大量に出て、同じユーザーがそうしたジャンルのゲームを複数買っていき、市場全体の規模を維持発展させるのも成功といえる。

日本で言うならば、ユーザー数は限られているが、一人がアニメ系ゲームを大量に買うことで、一定の規模を維持しているPS3などのゲーム機の例もある。

どちらが良いかと考えても、特に一つに答えを求める必要もないのでは、と思うわけだ。

また、ミリオンタイトルが出ることが良いことは言うまでもないが、もともと3万本売れれば収益化するようなタイトルであれば、5万本も売れれば十分となる。ユーザーの数だけを考えたときにはミリオンタイトルの数などを重視しがちだが、ソフトメーカーが収益化できるレベルに達するのであれば、一人が複数買って市場を成り立たせることもできる。これは今のPS Vitaで出ているタイトルが当てはまる。

こうして考えると、ミリオンタイトル数が少ないから、そのゲーム機は駄目だというものもおかしい話だし、シェアがトップでなければいけない、台数が何台売れるべきだ、というのもまたおかしな話となる。

いうまでもなく、売れたら売れたで良いけどね。 

小粒のタイトルでも積み重なってゲーム市場の規模を維持発展出来、それがゲーム業界の発展を演出できるというわけですね。

この点を考えたうえで、次世代ゲーム機後のゲーム業界を見ていくと、ユーザー数は減る可能性が高いが、市場規模の維持発展はやり方によっては可能だろう。

もちろん、ユーザー数が減るので、維持発展は容易ではないけどね。

後は、各社がどうするか。その行方を見ていく必要がある。

そこが一番大事なところでは・・・。

その各社の動向、および、発売される次世代ゲーム機、すでに発売されているWiiUなど個別については、次に取り上げたいと思う。

ここでは、大前提として、今後のゲーム業界を考える上で、単にシェアの話が重要なのか、それとも金額の話なのか、それとも拡大すること以外にも道があるのではないか、といういくつかの見方があることを述べて終えたいと思う。

直近、直後の話題

1つ過去の話題:今後のゲーム業界まこなこレポート2013年、次世代機出揃いから見た今後の業界
1つ新しい話題:PS4の日本発売時期は2014年2月から4月の間

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『次世代ゲーム機出揃いから見た今後のゲーム業界Part1「昨今のゲーム業界とゲーム市場の拡大とは」』へのコメント

娯楽が多様化して各ユーザーの可処分時間(自由時間)の取り合いが熾烈を極める中でCS機がどれだけ頑張れるかってとこだな。
家庭用ゲーム市場は縮小と言うよりは身の丈にあった規模になったと解釈してる。

任天堂の仕事は初めてゲームやる人にゲームの魅力を伝えること。
SCE・MSは任天堂がカバー出来ないゲームの深さを伝えること。

最近の各社見てると本当に業界自体綺麗に潰れてスマホがメインになるようにすら感じる時がある

投稿者 : 匿名

開発費の高騰という問題を解決しないことには、業界の発展は見込めない。
このままじゃソフトの発売本数も増えないし、ゲームを作れるメーカーは減るばかり。

DSは社会的な大ブームに加えて、開発費がそれほどかからなかったこともあって、発売本数、売上ともに増加した。DSでこの問題を一時的に緩和したように思えるが、根本的な解決にはならなかった。

投稿者 : 匿名

インタビュー読むとSCEも同じような考えみたいですね

投稿者 : 匿名

ゲーム市場が成長期から、
成熟期に入ったのは間違いないと思います。

投稿者 : 匿名

コアゲーム市場の拡大は今後も続くと思うよ。
中国やロシア、ブラジルといった新興国に目を向ければ、数十億の
コアゲーマー予備軍がいるわけだ。
もっとも規制やら税金やらさまざまな問題はあるが

投稿者 : 匿名

いちいち突っ込みたくないけどさ、
Wiiで売れたソフトはたくさんあるけどさ、ユーザーが満足したタイトルはあんまりないと思います。
PS3のソフトは全体的に見て任天堂ハードのソフトに売り上げで及びませんが、ユーザーが満足したソフトはたくさんあります。
売れてなくたって、面白いゲームありますよ。
まことさんが話そうとしてることとは全然違う話ですけどね。

私は株主じゃなくてゲーマーですから、売れるけどつまらないゲームがたくさん出るよりも、売れなくていいから満足いくソフトが出てほしいです。Wiiで手放しで面白いと褒められるのはゼルダとカドゥケウスシリーズぐらいです。後者は売れてないけど。神ゲーです。

PS3では面白いゲームありすぎて逆に紹介しきれません。
映像美はゲームにはあまり必要がないという前に、いろいろやってほしいです。楽しいですよ?ここ数年はすべての記事を読んでいますが、折角プレイしているゲームでも一番おいしいところを避けているものがちらほら見受けられます。2次OGの戦闘アニメ見てないとか。

投稿者 : 匿名

むしろ中国やアジア地域、普及していなかった欧州の国での市場規模拡大が可能だと思います。
現状アメリカやイギリスや日本などの先進国メインの娯楽ですから、ここに今勢いのある国が来ればむしろ過去最大になれるかも。
逆に言えばすでに普及した地域では維持が限界でしょうね。
そういう意味で今回のマイクロソフトは非常に大きな間違いを犯したように感じます。

投稿者 : 匿名

毎回思うんだけど、予防線貼りまくることで後でどうとでも解釈できる予想が当たったとか本気で書いてるの?

集客のためにあえて書いてるのか素なのか最近わからないわ。

投稿者 : 匿名

>2013年6月14日 21:26
Wiiを挙げておいてゼノブレイドやREGINLEIV、ソニックカラーズを出さないとはニワカにもほどがあるんじゃないか?
こいつらはゲームとしての面白さならPS3のどのゲームにも負けてないぜ!

投稿者 : 匿名

俺様にとっての満足度とかどうでもいいです。個人の意見は否定することはできないが論じる価値もない。

投稿者 : 匿名

>>いちいち突っ込みたくないけどさ、Wiiで売れたソフトはたくさんあるけどさ、ユーザーが満足したタイトルはあんまりないと思います。
>>PS3では面白いゲームありすぎて逆に紹介しきれません。

それはただ単に好みの問題だと・・・
PS系のゲームを神だと思うなら、そりゃWiiのゲームはそもそも好みに合わないだろうよ
でも世間全てが同じ感想じゃない

投稿者 : 匿名

WiiとPS3だったら、個人的にはWiiのほうが楽しいと感じたソフトが多いと思ったけどなぁ。
PS3はPS2のグラフィックを綺麗にしてその分つまらなくなったという印象が強かった。

投稿者 : 匿名

ゲーム市場は拡大できるか否か(ゲーム全体の売上が増えるか否か)を論じた記事なのに、売上と面白さは関係ない(キリッとかコメントしてるヤツは何なんだ?意味わからん。自分のブログにでも書いてろよ。しかも自分の主観=世間の総意とか本気で思い込んでるアレだし…

投稿者 : 匿名

据え置きのパイ全体が小さくなってることには同意。ていうかそう思ってないやついないだろ。
それでも海外ではまだまだ据え置き強いし国内ではPSブランドの力もあるしPS4はPS3の時みたいな強い逆風は吹いてないと思うね。

投稿者 : 匿名

PS3のソフトの方が満足度が高いというのは個人の意見でしかないな
私にしてみればPS2のマンネリから何も変わってないPS3のゲームのほとんどに満足感などなく、
マルチは箱○版の方が完成度が高くPS3版でプレイするゲームなどほぼ皆無に近かったのに比べ
wiiは新しい体験をいくつも私に与えてくれたソフトがあった、もちろん目新しいだけではなく面白い

投稿者 : 匿名