スクウェアエニックスの第2四半期赤字決算を読み解く、下方修正をDQ10のせいといっているのはアホ

スクウェアエニックスの2013年3月期の第2四半期決算が出たようだね。

営業利益が52億円の赤字になりました。当初予想ではプラスマイナス0を予定していたので大幅な下方修正になります。

この赤字への下方修正はやっぱりドラゴンクエスト10の影響ですね。

とかいうのはアホでしかないわけだ。

誰がアホですか！

どこぞの新聞社もそんな風潮で書いていて笑えたのだが。業績予想下方修正の説明をよく読めば、どう考えてもそう読みとることはできない。

一緒に公開された修正の理由は次のようになっています。必要な部分のみ抜き出します。

『大型オンラインゲームのサービス開始に伴うコンテンツ制作勘定の償却、運営費用の増大などから、(中略)業績予想数値を0円と(中略)していたところ、』(スクウェアエニックス オフィシャルサイトより)

ほら、やっぱりドラゴンクエスト10のせいじゃないですか。

お前、日本人か？ちゃんと日本語読めよ...。

失礼な！

書いてある通り、もともとドラゴンクエスト10で費用が掛かるので、最初から利益は0円になると予想して、その予想をいままで公開していたわけだ。それが、先に紹介した文面。そして、この先に、今回業績予想下方修正をする理由が書かれている。

続きです。必要な箇所のみ取り上げます。

『アミューズメント事業において、第2四半期連結累計期間に発売したゲーム機の販売がいずれも不振でした。また、デジタルエンタテインメント事業において、大型HDゲームの販売が伸び悩んでいるほか、ソーシャルゲームのサービス開始の遅延による売上減と開発費用の先行が発生しております。』(スクウェアエニックス オフィシャルサイトより)

これが、今回下方修正した原因だ。ドラゴンクエスト10に関しては費用計上していたので、その部分は今回の下方修正の理由に含まれていない。それにもかかわらず、ドラゴンクエスト10のせいで赤字になったと説明する人がいる...。アホとしか言いようがないですか。

この赤字の具体的な要因はなんだったのでしょうか？

一つはアミューズメント施設用の「ガンスリンガーストラトス」だろう。売れなさそうな感じではあったが、実際に売れなかったのだろう。ただ、いずれも、という表現が示すように、複数が失敗したような書き方をしているので、他にもあるのかと。一瞬「ジャイロゼッター」かな、と思ったけど、これは発売が6月21日と期間外なので、違うのかと。まあ、実際は言葉のあやの部分もあるだろうから、詳細は不明だが。

デジタルエンタテインメント事業の大型HDゲームは何が該当しますか？

そもそも、スクウェアエニックスはほとんどHDゲームを発売していないような気がしますが...。

日本国内で考えればその通りだが、海外では有力メーカーのアイドスを傘下に収めたこともあり、この会社の作ったソフトが海外市場で販売されている。また、それ以外でも権利を取得し、販売していたりもする。今回に関して言えば「Sleeping Dogs」、日本名では「スリーピングドッグス 香港秘密警察」が8月14日に北米で発売されたので、これが売れなかったのだろう。

日本では9月27日に発売されました。

あとは、ソーシャルゲーム関連のサービス遅延。もしかしたら先日発表されたグリーで提供される「ファイナルファンタジー」辺りは影響を受けてそうだな。たぶん、コンプガチャ絡みの問題の修正でリリースが遅れたのかと。

スクウェアエニックス側の説明に対する考えは以上ですね。

書かれていることをごく当たり前に読めば、このような解釈になるのだが。なぜか赤字下方修正は「ドラゴンクエスト10」のせいだ、ということにしたいらしく。そして、それを真に受けて広めてしまう人もいるのだろう。自らのアホを振りまくのは恥ずかしいことなので、そうした愚かな行為をしないように注意していただけたらと。